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日蓮大聖人・池田大作

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「3・16」記念全国青年部幹部会・第六… 創立七十周年を諸君の「凱旋行進曲」で飾れ

1991.3.12 スピーチ(1991.1〜)(池田大作全集第76巻)

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1  誇らかに民衆の「凱旋行進曲」を
 青空に高鳴る″勝利の響き″。春風にうたう″喜びの音律″――晴れわたる、きょうの大空のごとく、すばらしい演奏でした。″日本一″の音楽隊、鼓笛隊の皆さま、本当にありがとう(拍手)。(中部音楽隊・鼓笛隊が、歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」、学会歌「威風堂々の歌」を演奏した)
 今秋の中部の大文化祭の折には、海外から多くのメンバーや来賓が参加される予定であり、どうかまた見事な演奏で、晴れ舞台を飾っていただくよう、よろしくお願いします。(拍手)
 今の「凱旋行進曲」は、いうまでもなくオペラ王ヴェルディの傑作「アイーダ」の中の名曲である。創立七十周年には、中部は、この祝典の曲で盛大に飾っていくことを、本日の総会を記念し提案したいと思うが、いかがであろうか。(賛成の拍手)
 私どものめざす広布の「凱旋行進曲」。それは、妙法による世界の民衆の「蘇生」と「幸福」の壮大なドラマである。「自由」と「民主」を高らかにうたいあげる「人間」の勝ちどきである。
2  さて、賛成はしたものの、「″アイーダ″はよく知らない」(笑い)という方もいらっしゃるかもしれない。そこで少々、紹介しておきたい。とくに若き諸君は、いつも何かを学んでいく姿勢をもっていただきたいからだ。
 作曲者のヴェルディ(一八一三年〜一九〇一年)は、古今を通じて最大のオペラ作家の一人である。北イタリア・パルマの小さな村の宿屋に生まれた。十八歳でミラノに出て作曲を学ぶ。当時、イタリアは統一運動によって社会全体が揺れ動くなか、ヴェルディは「オペラ作家になろう」と情熱をもち続けた。
 この人生に″何か″を残すのだ。社会が揺れ動こうと、だれが邪魔しようと、私の人生は私のものだ。必ず歴史を刻んでみせる――恵まれた環境、平凡な人生からは、偉大な人間は生まれない。
 ″波瀾万丈の激動こそ、望むところだ″。この「心意気」が、人物をつくっていく。
 さて歌劇「アイーダ」は、古代エジプトを舞台とした物語で、マリエット(フランスのエジプト学者)の作品をヴェルデイが一八七〇年に作曲した。(=スエズ運河の開通を記念し、エジプト太守から作曲の依頼を受けたもの)
 物語は四幕からなり、エチオピアの王女アイーダが戦いでエジプト軍に捕らえられ、身分を隠したまま奴隷に――。やがて若き将軍ラダメスと、ひそかに愛し合うようになる。アイーダは、祖国への思いと恋人への愛との板ばさみに苦しむが、自分のために反逆罪で捕らえられ、死刑となるラダメスとともに死のうと決める。そして二人が永遠に結ばれる喜びをうたって、この世に別れを留げるという内容である。一面、悲劇だが、政治的な権力や野心による画策のなか、祖国愛と人間愛に生きた主人公の姿をとおして、時代を超えた「人間」の真実を情感豊かに描いている。
 「凱旋行進曲」は、「アイーダ」の第二幕で、エジプト軍がエチオピアとの戦いに大勝利し、帰国した兵士たちを歓喜の歌や踊りで祝う場面の曲である。(=「アイーダ」は悲劇ではあるが、作品の成立動機や性格から、音楽祭や祝典での出し物、オペラ・シーズンの幕開きとして多く上演されている)
3  夢に生き、信念に生きよう
 きょうは、中部が生んだ世界的なジャズ・トランペッター、ミスター・シュンゾウ・オオノがこられている(拍手)。広布のために、たいへんな状況のなかで戦っている皆さまを、何とか元気づけてあげたい、とのことで、本日の中部総会、青年部幹部会の祝福に、わざわざ駆けつけてくださった(拍手)。先日(三月四日、第一回関西代表幹部会)のハービー・ハンコックさん、バスター・ウィリアムスさんに続いての、超一流プレーヤーの来日である。(拍手)
 オオノさんは一九四九年(昭和二十四年)、ここ中部の岐阜県生まれ。岐阜県音楽隊の出身である。現在四十一歳。トランペットを吹きたい一心で、十九歳で故郷を離れ、東京へ。そして一九七四年三月十三日、著名な演奏家からの誘いもあり、心に期するところあってアメリカに渡られた。彼にとって、きょう(十二日)は渡米十六年から十七年に入る節目の日にあたる。(拍手)
 子どものころに入会されているが、本格的に妙法のトランペッターとして立ち上がったのは、渡米から三年後(一九七七年)、二十八歳のころからという。以来、音楽活動と学会活動を両立させながら、ニューヨーク方面の男子部の中核として頑張ってこられた。現在は男子部の副方面長である。
 ジャズを愛好する世界の若者の、だれもが憧れる街ニューヨーク。音楽家にとって″決戦場″ともいうべき地で活躍するまでには、たいへんな、また孤独な、猛練習の日々が重ねられた。
 ″千里の道も一歩から″である。その″一歩″に″千里″が含まれている。次の″一歩″また″一歩″ごとに「夢」が「現実」に近づいていく。大事なのは足元である。歩みを止めないことである。

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