Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第十五回全国婦人部幹部会 民衆の喝采こそ永遠の勲章

1991.1.23 スピーチ(1991.1〜)(池田大作全集第76巻)

前後
1  嵐に向かい立つ人間は高貴になる
 にぎやかな″全国五百万の総会″、おめでとう!(拍手)。また、本日は寒いところ、ご多忙のところ、本当にご苦労さま!(拍手)
 先日、ある婦人部の方のご主人で、未入会の識者が言われていたという。
 「ベートーヴェンの『歓喜の歌』を合唱する。しかもドイツ語で――。驚きました。学会がそれほどの文化の団体だったとは」と。そこで認識を改め、勤行も始めようかと(笑い、拍手)。「ところが、どうしたわけか『歌っちゃいけない』ことになったそうで、いったいどうなってるのでしょうか」(爆笑)(=この当時、「歓喜の歌」の合唱は、外道礼讃になるという理由で宗門から禁じられていた)
 せっかく発心したのに、今後の持続が心配だが(笑い)、奥さまも励ましを、よろしくお願い申し上げたい。(笑い、拍手)
 その方が、「お正月、日本中が楽しそうでした。ところが、そのなかで、私がもっとも正しいと思う創価学会だけが、いじめられ、苦しめられていた。これでは反対ではないでしょうか」(笑い、拍手)と。そして「ベートーヴェンの『歓喜の歌』がいけないのなら、ほかのメロディーで」(笑い)と、何曲かを送ってくださった。(拍手)
2  そこで本日はまず、それらの曲を皆さまと一緒に聴きたいと思う。しばし、美しい音楽に、心を和ませていただきたい。年末年始、いやな思いをされた分(爆笑)、せめて、ひとときを楽しんでいただきたい。(拍手)
 どんな状況にあっても、″楽しみ″をつくっていける――その人こそ、幸福である。そうなるための信仰なのである。
 私どもの正義を、見る人は見てくださっている。ある著名な学者からの手紙には、こうあった。
 「偉人は嵐のなかで立ちます。パイオニア(先駆者)は、百年先を見て、事に当たります。名誉会長は偉人であり、パイオニアです。小さい人には、その気持ちは見極められない」と。
 過分なご評価に恐縮のほかないが、その他、海外も含め、数多くの方々から、続々と励ましのお手紙をいただき、心から感謝したい。(拍手)
3  さて、その曲とは。まず、喜劇王チャップリンの映画から――。
 『モダン・タイムス』(一九三六年製作)から、曲は「テイテイーナ」。人間が機械に管理され、支配された社会を描いた、人間性を喪失した現代文明への、痛烈な風刺である――。半世紀以上も前の作品とは思えないほど鋭い。主人公が歯車に組み込まれ、もみくちゃにされるシーンなど象徴的である。
 『犬の生活』(一九一八年製作)のテーマ曲。うらぶれた失業者、貧乏紳士のチャップリンが、のら犬と繰り広げるコメディーである。
 『になつつ』(同年製作)のテーマ曲。軍隊生活を風刺した作品。当時は、第一次大戦の真っただ中。チャップリンの勇気あればこそ、できあがった映画である。
 『偽牧師』(一九二三年製作)のテーマ曲。脱獄囚が牧師になりすます。あやしげな説教をしたり、信徒の女性と親しくなったり……。やがて正体がわかってしまう。しかし、保安官の計らいにより、捕まるかわりに、国外へ連れていかれるところで終わる。(=逃がしてもらった国では賊に襲われ、どちらの国にも行くことができず、国境の両側に左右の足を置いて走っていくラストシーンは有名)
 『チヤップリンの独裁者』(一九四〇年製作)から、曲は「ミリタリー・マーチ」とブラームス作曲「ハンガリアン舞曲第五番」(これ以外はすべてチャップリンの作曲)の二曲。先日もお話しした作品である(=一月六日、第三十七回本部幹部会)。有名な演説シーンで、チャップリンは叫ぶ。――言うべき時がきた。言うべきことは言わなければならない、との決心で。
 『黄金狂時代』(一九二五年製作)から「金鉱を探し求める人々」。金に狂う、欲に踊る――その愚かさを笑いとばす。また飢えのあまり、自分の靴を食べるシーンや、パンにダンスをさせるシーンなど、涙と笑いの名場面が随所に光る。
 弱い者への愛情、そして金持ちや支配者、権力者への激しい怒りと抵抗――これがチャップリンの芸術の魂であった。

1
1