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第十二回関西総会・第四回全国壮年部幹部… 信仰こそ人間の最高の誇り

1990.10.26 スピーチ(1990.8〜)(池田大作全集第75巻巻)

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1  各部へのリーダーの接し方
 世界のあこがれの都・京都での第十二回総会、関西の皆さま、おめでとう!(拍手)
 先ほど合唱団(婦人部の「チェリーコーラス」)が″ひな祭り″(「うれしいひな祭り」)を歌ってくださったが、王朝の雅なる官女、凛々しき右大臣、左大臣――京都に来ると、気品ある美男美女ばかりのようで感動する。(笑い、拍手)
 また過日の世界的な関西大文化祭、本当に見事だった。立派に創立六十周年を荘厳してくださった。あらためて最大の感謝と称讃を贈りたい。(拍手)
 本日は壮年部の新しい出発の集いでもある(=全国二百万人の記念総会を開幕する第四回全国幹部会)。新壮年部長を中心に、生き生きとした前進をお願い申し上げたい。(拍手)
2  運転手がいるから車は進む。列車には機関士が、船には船長が必要である。飛行機も、パイロットは操縦桿を手放すわけにはいかない。
 組織も指導者がいてこそ、大勢の人々を、幸福へとリードすることができる。そして、指導者は正しく指導できてこそ指導者である。″運転″や″判断″を間違ってはたいへんなことになる。
 そこで本日は、各部の友に対する指導者の接し方について、簡潔に述べておきたい。
 まず壮年部の皆さまに対しては、「尊敬」と「感謝」の念で接していただきたい。
 壮年は社会での仕事もたいへんである。あらゆる面で責任も重く、気苦労も多い。体も若いころのようには動かない。そうしたなか、一般社会では、多くの壮年が理想もなく、ただ現実に埋没して生きている場合があまりにも多い。
 にもかかわらず、壮年部の皆さまは、日々、広宣流布のために活躍してくださっている。人類のため、大切な仏子のために、祈り、考え、行動しておられる。まことに尊く、ありがたい存在である。心から尊敬し、感謝していくべきであると私は思う。
 仏法の日から見れば、世間のいわゆる有名人等よりも、比較にならないほど偉大な方々なのである。また、人間としても尊極の生き方をしておられる。その方々に対し、リーダーは、「本当に立派なことだ」「ありがとうございます」という心が大切であろう。その心があれば、互いの力となっていく。
 とくに、若い人々は、壮年に心から敬意を表し、その円熟した経験や立場を尊重していただきたい。そうできる人こそが、立派な指導者と言えるのである。
 また婦人部に対しては、心からの「優しさ」と「礼儀」をもって接することである。かりにも、婦人を叱ったり、いばったりすることがあってはならない。どうも、家で奥さんに頭が上がらない男性ほど、他の婦人にいばる傾向があるようだ。(笑い)
 また、ふざけた、軽視の心があってはならない。紳士として、婦人を最大に尊敬し、どこまでも優しく、礼儀正しくあっていただきたい。
 さらに、未来を託す男子部には、絶対の「信頼」をもって接することである。信頼の心が伝われば、人材は伸びていく。そして女子部は潔癖が身上であり、いいかげんなことはいちばん嫌われる。「約束は必ず守る」など、裏表なく誠実に接していくべきである。
 これらの点を、各部に対する一つの原則として、言い残しておきたい。
3  希望は常に出発、永遠の始まり
 さて昨日、八王子市の東京富士美術館で開催中の「ビエーブル・フランス写真博物館展」の関係者一行が京都を訪問され、私もしばし歓談の時をもった。同展は、私とファージュ館長との友情の結晶である。懐かしい館長夫妻らと再会でき、私はうれしかった。またペルシャ下院議員らとも種々、意見を交換した。
 フランスは、優雅な文化の国、人権宣言の国として有名である。そうした栄光のフランスの″魂″は何か。
 フランスの大歴史家ミシュレは、自国への愛情をこめて、「不敗の希望の国」と呼んだ。いかなる苦しみの時期も、絶対に「希望」を失うことがなかった国、「希望」の一念が不敗であった国――それがフランスだというのである。
 ミシュレによれば、古のフランスの民衆は、巨大なローマの支配と戦った。一時は独立に成功し、自分たちの国、ゴール(ガリア)の帝国をつくった。彼らは自分たちの貨幣を作り、そこに自分たちの″最初にして最後の言葉″、すなわち永遠に生き続けている魂の言葉を刻んだ。それは「希望」という文字であった。

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