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第三十二回本部幹部会・第三回全国壮年部… 信仰は最高に″強く″生きぬく道

1990.8.24 スピーチ(1990.8〜)(池田大作全集第75巻巻)

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1  「信」は幸福を、「知」は力を
 東北各県から遠いところ、また暑いなかを、たいへんにご苦労さまです。
 すばらしい記念墓地公園(宮城県白石市)の完成、本当におめでとう(拍手)。また、このように立派な講堂もでき、心から祝福申し上げたい。蔵王の美しい山々にいだかれたこの地を見て、「生き残っている人よりも、亡くなって、この地に眠る人のほうが幸せではないか」(爆笑)と言う人さえいたようである。
 また、今年は記録的な猛暑が続いて各地ともたいへんななか、この地の涼しく快適な気候に「もう帰りたくない」(爆笑、拍手)と皆が言っていた。
 ともあれ、これからも各地で厳しい残暑が続く見込みである。どうか健康に気をつけ、暑さや寝苦しさをしのぐ工夫をそれぞれにこらしながら、勤行・唱題に、教学の研鎖に、同志の激励や友人との対話に、元気で励める日々であっていただきたい。
 そこで本日は、暑い時にむずかしい話をするのは気の毒でもあり(爆笑)、懇談的に話を進めたい。「聖教新聞」には、むずかしい″人間主義″や″宇宙″をテーマにした対談が掲載された直後なので、「きょうはどんなテーマかな」と身構えていらした方もおられるかもしれないが(笑い)、これでご安心いただけると思う。(笑い)
2  本日の第三十二回本部幹部会には、全国で二十数万という同志が参加されている。会合の模様が衛星中継によって同時に各会場に伝えられるようになってから、本日でまる一年。この間、毎回多くのスタッフが放映の作業を陰で黙々と支えてくださった。
 私は、先ほどこの会場の外で、会合の映像を電波に乗せて天空の通信衛星へと送っている中継車を訪れた。そこでは七人のスタッフが最先端の機器に囲まれ、狭いところで汗だくになって作業をされていた。
 全国の会場に最高の映像を届けようと、まことに懸命の姿である。私はせめてもと、冷たいジュースを差し上げて、その労をねぎらった。私はいつもこうした陰の人を大切にし、細かいところに気をつかってきたつもりである。
 そして本日は、全国に皆さまの姿がたいへんよく映っているとの報告も受けた。ともかく、おめでとう。(笑い、拍手)
 また本日は、各地で、それぞれ記念の集いが開かれており、心から祝福申し上げる。
 なお本日を記念し、仙台の婦人部から揮豪の希望があり、次の言葉を揮豪させていただいた。
 「信は幸 知は力 学は光」
 毎日毎日、揮豪の要請だけでも、たいへんなものである。(笑い)
 「信心」こそ「幸福」への正しき道である。そして「知性」は、新たな未来を開く「力」であり、「学び」の人には人生を照らす「光明」がある。皆さまは、何があっても、まず信心を貫きとおすことだ。そして、とくに若い時代に、徹底して学びぬいていくことが大切である。
3  「不忘」の名刻む地に、生死不二の都
 蔵王連峰の山々は、その名のごとく、王者の気品をたたえている。この地、南蔵王の一角にそびえる不忘山は標高一、七〇五メートルの名峰。私もそのすばらしい姿に感動した。
 この景勝のふもとに、私どもの墓地公園は完成した。仏使すなわち仏の使いとして、広宣流布に走りぬいた尊い方々が休む″仏の使いの城″であり″生死不二の都″である。
 「不忘」(忘れず)の山――まことに詩情豊かな、ロマン薫る名前である。この近くの「長老湖」から仰ぐ山の姿は、どこか富士山に似ているとも言われ、忘れがたい美しさがある。
 私も先ほど、この湖のほとりで、美しい自然とほんのしばしの語らいをもった。帰りぎわには、地元の学会員の方々にお会いでき、うれしかった。
 古より、蔵王の山々は遠く都の人々の憧れをも誘ったようである。はるか千年前の平安時代の和歌(古今和歌六帖)に「人わすれずの山」と歌われ、また清少納言の『枕草子』にも「わすれずの山」と記されている(「枕草子紫式部日記」補注、『日本古典文学大系』19所収、岩波書店)。″わすれずの山″とは、現在の不忘山に限らず、もともと蔵王全体に対する印象から詠まれたとされる。
 ともあれ、この地に墓地公園ができたことは、私どもが、忘れ得ぬ同志のあの友、この友を偲ぶ天地として、不思議な符合のようにも思われてならない。
 また、「蔵王」の名は、地名の起源は別として、蔵の王すなわち″福運の大尽″(富裕な人)を象徴するとも言えまいか(拍手)。「宮城」は宮城(王の住む城)に通じ、″生命の王者の官殿″を表すようにも思われる。
 どうか、この地こそ広布の誉れの舞台であり、妙法につつまれて三世にわたる生命の福徳を築いていくところである、との確信で進んでいただきたい。(拍手)

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