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日蓮大聖人・池田大作

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創立六十周年祝賀の関西記念総会 「五月の太陽」よわが胸に昇れ

1990.5.3 スピーチ(1990.2〜)(池田大作全集第74巻)

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1  私たちは最高に幸福者
 関西の、そして全国、全世界の皆さまに、心から感謝し、また祝福申し上げたい。歓喜のなかでの「創価学会の日」おめでとう。「創価学会母の日」おめでとう。(拍手)
 東京での総会(四月二十九日、創価大学)では、「コロンビア大黄金展」(四月二十八日一般公開)も彩りを添そてくれた。コロンビアの″国の宝″である世界最大級のエメラルド結晶原石三個も、特例として初の海外貸し出しを許可していただいた。この例からも、学会の信用が世界的なものであることを知っていただきたい(拍手)。またエメラルドは「五月」の誕生石でもある。
 一方、関西の総会では、花また花(爆笑、拍手)。大げさにいえば会館等を埋めつくす勢いで(笑い)、真心の花々が関西の「5・3」を祝っている。″花の万博″まであって(爆笑)、あたかも世界の花たちが祝福に集ってくれたかのようである。(拍手)
 こんなに花ばかりで、水はどうするのか(笑い)と、私は関西に来る前から心配でたまらなかった(笑い)。暑い日の関西のほこりっぽさ!(爆笑)。水をやる人は、さぞかしたいへんだろうと心を痛めていたところ(笑い)、諸天も同感してくれたのか(笑い)、きょうは慈雨(爆笑、拍手)。妙法のリズムは、まことに無駄がないし、ありがたい。(拍手)
 「信心」には行き詰まりがない。かりに表面上、どのように見えたとしても、長い目で見れば、また根本的には、もっともいい方向へ、いい方向へと、生命が「永遠の幸福」への軌道に乗っていく。
 その意味で、御本尊を拝した私どもは、すでに最高の幸福者になっているのである。「信心の眼」で見、「信心の心」で受けとめていけば、そのことがわかってくる。また、その確信によって自身の福運もいやましていく(拍手)。「ただ心こそ大切なれ」との御金言は、いくら強調しても、しすぎることはない。
 また、きょうは「創価学会母の日」である。エメラルドを買ってあげる(笑い)とまではいかなくとも、婦人部を最大に大切にしていただきたい。(拍手)
 「掃除も僕がやるよ」(爆笑)、「夕飯も僕が作るよ」(笑い)――そうした言葉だけでも(笑い)、奥さまは、ふだんしいたげられている人ほど(爆笑)、感動されるにちがいない(爆笑、拍手)。また反対に、婦人のなかには、夫を叱ることに″しびれるような幸福″(爆笑)を感じておられる方がいらっしゃる、とうかがったこともある。(爆笑)
 ともあれ、私どもの生活や家庭は和楽につつまれ、つねに母には優しく、むつまじい一日一日でありたい。そして、もっとも苦労されている婦人部を、皆がもっとも大切にしていく――本日を、その象徴の日にしていただきたい。(拍手)
2  アルゼンチン独立の淵源「五月革命」
 お祝いの日ではあるが、少々、語っておきたい。「指導者」は、時代相応の指導をしていくのが本分だからだ。花屋に花がないのは、おかしい。酒屋やラーメン屋に、酒やラーメンがないのでは(笑い)、看板にいつわりあり、になってしまう。
 知水――知恵の水が、川の流れのように、たっぷりと流れていれば、そこから知恵をくみ出し、指導力、説得力、確信を深めていける。信心と精神の滋養としていける。
 その意味で、御書を根本に、さまざまな角度から、私はスピーチを続けている。また、これは、本当の意味での「言論の自由」の行使であるとも思っている。(拍手)
 本日は、アルゼンチンの独立の淵源、五月革命にふれておきたい。
 時まさに五月であるし、そこに込められたアルゼンチン民衆の誇り高き歴史のドラマに、私は常勝関西の魂に響き合うものを感じるからである。
 関西は、私が生命をそそいで手作りで築き上げた、全国の、世界の模範である。関西には団結がある。私とともに戦う精神がある。これからも、他の範となっていく宿命的立場ともいえる。(拍手)
 なお、先日、アルゼンチンからいただいた「大十字五月勲章」(=初着用の写真は「聖教新聞」五月三日付一面に掲載)の「五月」とは、この五月革命にちなんでいる。
 この数ヶ月の間に、コロンビア(コロンビア共和国功労大十字勲章)、ブラジル(南十字国家勲章)からと、続けて三ヶ国から勲章を頂戴した。先日、申し上げたように、全部、皆さまの喜びのために、皆さまとともに、皆さまの代表として、私が受けたと考えている。その意味で、皆さまも「自分の勲章」(笑い)と思っていただきたい。(拍手)
 ところで、なぜ「五月」の勲章なのか。「五月」は、アルゼンチンの歴史にあって、「独立」と「自由」の原点であり、民衆勝利の象徴の月なのである。つまり、今から百八十年前の、一八一〇年五月のことである。
 ちなみにこの年は、ここ大阪に適塾を開き、三千人の人材を育成した緒方洪庵が生まれた年でもある。
 この年の五月、アルゼンチンのブエノスアイレス市(現在の首都)では、三百年の長きにわたったスペインの支配に対抗、傲りたかぶる権力者(シスネロス副王)を、民衆の手で退位させ、新しい自治を打ち立てたのである。
 これが、アルゼンチンの独立へと進む「五月革命」であった。この革命に立ち上がった先駆者たちを、アルゼンチンでは、最高の敬意を込めて「五月の人々」と呼びたたえている。
 この誉れある「五月の人々」の理想とも一致する功績のあった人々に贈られるのが「大十字五月勲章」なのである。
3  この「五月革命」は、一面から見れば、精神闘争の勝利であり、思想戦の勝利であった。つまり暴力を用いず、平和的に、民主的に、旧体制を転換したのである。
 「五月革命」の中心となったリーダーたちは、新しい「自由」の思想を訴え、人々の心を呼び覚ましていった。「五月構想」と呼ばれたスケールの大きな展望のもと、人権、平等、そして出版・思想の自由、奴隷解放、一般大衆の教育などの旗を掲げ戦った。
 そうした理想へ、目覚めた民衆の力を結集していった。それが流血の悲劇を招くことなく、圧政を倒す原動力となったのである。その思想的リーダーシップ(指導力)は、高く評価されるところである。

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