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日蓮大聖人・池田大作

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第二十四回本部幹部会 永遠に轟く生命の凱歌を

1989.12.20 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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1  「人生も、信心も強気で」
 この一年間、本当にありがとうございました。ご苦労さまでした(拍手)。波瀾万丈ともいうべきこの一年を、皆さま方は懸命に動き、戦い、すべてを「勝利」で飾ってくださった。(拍手)
 妙法は、一切の難も、一切の労苦も、一切の歴史も、すべて限りなき法楽へと転じゆく法則である。成仏という永遠の幸福軌道に入る「因」となり「力」となる。ここに、世俗的な法則とは根本的に異なる妙法の極理があり、日蓮大聖人の仏法の真髄がある。
 この一年も、私は病の人に対しては、懸命に平癒の祈念をさせていただいた。亡くなった方に対しては、真剣に追善の唱題をしてきた。
 また、全会員、さらには世界中のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーの健康と福徳と長寿、そして無事故を、祈りに祈りぬいてきた。これからも、変わることなく、題目を真剣に送らせていただく決意である。
 どうか明年は、いちだんと福運に満ちた、偉大なる自身の歴史をきざみ、すばらしき幸福の大境涯を開いていかれるよう念願してやまない。そして、百獣の王たる獅子のごとく、何ものも恐れず、堂々と進み、生ききっていただきたい。(拍手)
2  私どもの前途には、権力の迫害もあれば、さまざまな妨害もある。しかし、決して驚くことではないし、恐れる必要もない。信仰ゆえの難であれば、それはむしろ信仰者の誉れであり、大いなる喜びである。少なくとも、私は戸田先生の弟子として、そうした思いで、今日まで生きてきたつもりである。
 戸田先生は晩年、「人生は強気でいけ。信心も強気でいけ」と指導された。いかなる事態にも、いささかも動ぜぬ強さ、大きさがなければ、広宣の荒海を乗りきっていくことはできない。弱々しい自分では、魔も破れない。敵も倒せない。結局、人生の戦いに敗れ、不満の人生で終わる。
 ゆえに私どもは、この戸田先生の指導をあらためて心にきざみ、明年へ「強き心」で前進していきたい。(拍手)
3  ところで、火山活動を起こすマグマの成り立ちについて、定説はないけれども、一つの可能性として考えられていることにふれておきたい。マグマとは、地下深くで生まれる溶融状態の物質のことをいう。高熱、大量のマグマが一体となって上昇し、地上に噴き上げる現象が噴火である。そうしたマグマは、どのように発生するか。
 何らかの原因で、地中に温度上昇や圧力低下が起こる。すると鉱物粒子の一角が溶ける。それがマグマの最初の一滴である。しかし、それはきわめて微小な″一滴″にすぎない。
 それがマグマの流れとなり、大河となるのは、マグマの一滴が自身も着実に拡大しつつ、他の一滴一滴と網目状に結合し、いわば″液のネットワーク″を構成するからである。ここから確かな流れが生まれ、さらなる温度の高まりとともに、マグマは周囲の鉱物粒子をも巻き込み、一団となって上昇を開始する――。
 最初は、微小で影響力も小さかったマグマ。それが、確かな″ネットワーク″を作り、限りなく広がっていくとき、信じられないような爆発力を発揮する。
 人間社会においても、同じ道理があるといってよい。一人一人の「個人」は、小さな存在かもしれない。しかし、それぞれが成長しながら、連帯と信頼の輪を結んでいくとき、個々の力は絶大なパワーとなり、信じられないような爆発力となっていく。
 ゆえに、団結が大切である。とともに、それ以上に″最初の一滴″が大切なのである。″最初の一滴″がなければ、連帯も、拡大も、決して生まれえないからだ。
 ガンジスの大河も、源の一滴に始まる。広大な広布の流れも、日蓮大聖人お一人から始まった。戦後の学会が戸田先生お一人からスタートしたことは、ご承知のとおりである。
 「一人」こそ「万人」の基であり、一切の根本である。
 ともあれ自分という「一人」には、それだけの使命と、力と、責任があることを知らねばならない。

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