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日蓮大聖人・池田大作

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第十八回全国青年部幹部会 みずからの″不朽の日記″をつづれ

1989.12.9 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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1  冬に鍛えた人間の心は清く美しい
 本年の悼尾を飾る青年部幹部会、おめでとう。寒いなか、また遠いところをたいへんにご苦労さまと申し上げたい。この一年も秋谷会長のもと、青年部も大活躍の歴史をきざむことができ、私は本当にうれしい。(拍手)
 また、本日の幹部会に総会の意義をこめて参加された創価班、牙城会、白蓮グループ、あるいは白樺グループ等の皆さまには、本年も広宣流布のため、会員のために真心の献身をいただき、心からお礼申し上げる。(拍手)
 さらに本日は、北海道の女子部総会、大分、宮崎、福井、栃木の各県青年部の総会なども行われており、心から祝福申し上げたい。(拍手)
 年の暮れの忙しい時期に、また寒風のなかを総会、幹部会に集いあうのはたいへんである。しかし、信心のための苦労、広布のための苦労には大きな「福徳」が実っていく。冬に鍛えた人間の心は、あたかも純白の雪のごとく、清らかに美しくなっていくと確信して、勇み前進していただきたい。そして、本日ご参集の全員が朗らかに晴ればれと新年を迎えていただきたい、と念願するしだいである。(拍手)
2  人生に最高の価値を求めよ
 今の世の中には、価値判断の基準がなくなってきている。人々は、何を、どう判断すればよいのかわからない。「哲学不在」の時代といわれるゆえんである。
 人間と動物の大きな違いは何か。それは「哲学」をもつか否かである。人間だけが哲学を探究し、人生のより高き価値を築くことができる。
 ゆえに諸君も、確固たる人生のために徹して学び、真実の「価値」を探究しぬいていっていただきたい。″安易さ″を求め、″要領″だけでその場をしのいでいくような浅薄な生き方では、結局、自分が損をするからである。
 そこで本日は、未来ある諸君の何らかの糧になればとの思いから、先日もボローニャ大学一行との会談の折(=十二月三日、ボッキ教育学部長らと会見)に話題となったダンテについて、昔の記憶を思い起こしながら、話を進めさせていただきたい。(拍手)
3  今月五日から東京富士美術館で「ボローニャ大学特別重宝展」が開幕し、反響を呼んでいる。
 創立九百年の歴史と伝統を誇るイタリアのボローニャ大学等が所蔵する貴重な資料の数々が公開された今回の出品のなかに、イタリア最大の詩人ダンテ(一二六五年〜一三二一年)の代表作である『神曲』がある。これは『神曲』が発表された十四世紀ごろの手書きの写本で、ボローニャ学派風の書体で書かれている。
 ダンテ自身も、二十一、二歳ごろの若き日に、ボローニャ大学で学んだ一人であった――。
 ダンテといえば、私もちょうど二十歳から二十二歳の時分に、何十回となく繰り返し読んだ。難解であったが、「どうしてもわかりたい」との一心で、それこそ毎晩のように読み返したものである。
 私の青春時代は、恩師戸田先生のもとであらゆることを学び、徹底して訓練していただいた。御書も「立正安国論」をはじめとして、重要な御文はすべて暗記して学んだものである。そうした青春の鍛えがあってこそ現在の自分があると、感謝の思いは尽きない。
 また、私が入信する前になるが、戦後間もないころ、青年同士の読書サークルで『神曲』を取り上げ、イタリア・ルネサンスの精神をめぐって、若き友人たちと真剣に語りあったことも懐かしい。
 そして八年前の一九八一年六月には、フィレンツェにあるダンテの「記念の館」を訪問し、彼の偉大な生涯を偲んだ思い出がある。
 今後は青年部の諸君にも、世界の歴史と文化を学び、大きな視野と国際性を培う意味からも、インド、中国やアメリカ、南米などへ派遣する機会をつくってはどうかというのが、私の願いである。(拍手)

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