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日蓮大聖人・池田大作

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第二十二回本部幹部会 広布のため行動してこそ真の人材

1989.10.24 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

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1  「行動するプリンセス」アン王女
 秋たけなわの、きょうこのごろ。今宵は秋の楽しいひとときを、数人の人たちと和やかに語らい弾ませているような思いで、お話をしたい。
 まず、本日は、第二東京の総会の意義もこめられており、心から″おめでとう″と祝福申し上げる。また、中野兄弟会のメンバーをはじめ、各部の代表もこの会場や本部周辺の会場に集っておられる。
2  ところで現在、「英国王室のローブ展」が、八王子の東京富士美術館で開催されている。すでにご覧になった方もおられると思うが、本国参加されている第二東京の皆さまの地元で、イギリス王室秘蔵の貴重なローブ(式服)の数々が、海外で初めて公開されている。
 英国王室といえば、本年、美しいロンドンの五月、私はバッキンガム宮殿にアン王女を表敬訪問し、約四十分にわたり、楽しく有意義に懇談した。王女の卓越した人格は、今もって私の心に深い輝きを放っている。
 「行動するプリンセス」――。アン王女は、こう呼ばれて英国の国民に親しまれ、広く尊敬を集めている。
 ロンドン郊外のタプロー・コートでお会いしたイギリスのある要人は「アン王女は本当に立派な方です。世界に目を開き、偉大な成長の道を歩んでこられました」と、尊敬の思いをこめて語っていた。
 私が受けた王女の印象も、まさに「行動」の人、「信念」の人であった。まことにすばらしい人格をそなえた女性であると、直接お会いして直感した。
 王女の活躍の舞台は世界に広がっている。いくつもの慈善団体の総裁やIOC(国際オリンピック委員会)の委員を務め、出席する行事は年間、五百件にもおよぶ。一説には八百件ともいう。″英国王室でいちばん多忙な人″とも評され、そのエネルギッシュな行動は、大きな注目を集めている。優れた人物は、多くが″行動派″であるものだ。
 それにつけても、「アン王女」については、興味本位の、低次元な報道が多い。どういうわけか王女のすばらしい行動を評価し、伝えようとしていない。
 ある人が言っていた。「言論の自由」だから、何を書こうと書くまいと「自由」であろう。しかし言論の自由といっても、少なくとも″公正″をかかげる以上、偏見なく、正しいものは正しく、評価すべきはありのままに評価すべきではないか、と。こうした意見は一部の人だけのものではないと思う。(拍手)
3  王女の活躍は幅広い。なかでも、「セーブ・ザ・チルドレン・フアンド(児童救済基金)の総裁としての活動は、世界的に知られている。
 総裁を引き受ける時のこと。たんなる名目上の″お飾り″の総裁になることをきらった。「仕事をする総裁」を条件に、就任を承諾。そしてみずからが出した条件どおり、世界各地を飛びまわっている。
 ″法律に違反しないことなら、何でもやります″と明言しているように、自分が出席することが役に立つとなると、どこへでも出かけていく。
 同基金の活動のためであれば、中東に飛んで乗馬大会にも参加する。バングラデシュで、食糧供給施設の建設の交渉が行き詰まれば、直接出かけていって交渉を助ける。まさに″現場主義″に徹した行動の姿である。
 このように、自分が動くことで、少しでも人々の関心を高めることができれば、また開発途上国の児童救済事業の参考になれば、というのが王女の願いである。実際に、王女の広範な行動は、児童救済への大きな力となっている。
 総裁だから、トップだからと、人々の上で安んじているわけではない。″お雛さま″のように、すまして黙って座っているようなことはしない。
 王女は、総裁だからこそ、組織の″長″だからこそ、だれよりも働いている。戦っている。部下ばかり働かせたり、号令だけかけているのとは、正反対の生き方である。自分の使命のためには、つねに真剣勝負なのである。(拍手)

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