Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第十七回全国青年部幹部会 ″青春の証″を人生にきざめ

1989.9.24 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

前後
1  「見果てぬ夢」めざして
 きょうは第一回埼玉県総会であり、県青年部総会でもある。私は、まず「埼玉は勝った」と心から祝福申し上げたい。(拍手)
 また全国的には第十七回青年部幹部会、千葉では第一回県青年部総会、青森では第三回県青年部総会となっている。私にとって、青年の成長ほどうれしいことはない。(拍手)
 さらに、海外十力国の代表が、第十回SGI総会への先駆として来日されている。また未来部の鳳雛池田会、女子新世紀塾の友も、この席に参加している。(拍手)
 そして、全国女子学生大会、学芸大学会の記念勤行会など、多くの集いが各地で開催されている。(拍手)
2  さて広宣流布は、やはり言論戦である。先ほどの秋谷会長の指導どおり、「聖教新聞」の存在の意義は大きい。現在の日本には、あまりにも無責任な言論も多い。そのなかにあって、「聖教新聞」は、日蓮大聖人の仏法を根底にして、平和・文化・教育と、あらゆる角度から社会に開かれた言論活動を誠実に繰り広げている。
 私もつねに見守り、応援してきた。皆さまもこれまで以上に活用していただきたい。(拍手)
 今朝、「聖教新聞」を読んでいると、「サンデー・インタビュー」の記事が目についた(九月二十四日付)。
 ゲストは宇宙科学研究所教授(東京大学教授も併任)の河島信樹氏。アメリカの惑星探査機ボイジャ12号の日米共同実験を担当した方である。記事を読んで、このような学者がおられることを日本の誇りにしたいと思った。ご専門(宇宙実験物理学)での業績はもちろん、人間の精神性の面でも、きちんとホシを押さえて語っておられる。
 日本ではなぜ、ポイジャー(=航海者の意)のような大きな惑星探査機などが打ち上げられないのか。その理由について、氏はこう述べておられる。
 「なんといっても役に立つかどうかという、効率性を主眼とする国民性でしょう。天文学や宇宙の研究は、即効性はありません。でも、地道な研究が与える夢は計り知れないものがあるのです」
 そのとおりであろう。日本も″金儲け″ばかりではあまりにも情けない。いくら経済大国と威張ってみても、精神が弱々しく萎縮し、小さく固まってしまっていては、当然、だれからも尊敬されない。未来も暗い。
 私どもの日々の地道な活動も、すぐに目に見える「即効性」はなくとも、人類の将来に大きな希望と夢をあたえている。経済一む配の見方では、なかなかその価値がわからないだけである。このことも確信していただきたい。(拍手)
 記事の標題は「見果てぬ夢」。見出しは「年をとるほど大きな人間に」である。これは、氏が″子どもたちに贈る言葉″として語られた次の言葉から取っている。
 「″年をとればとるほど大きな人間になる″そういう生き方をしてほしい。今は、数年程度の先の読めるものにしか興味を持たないように育てられている。それではあまりにかわいそうです。見果てぬ夢に生きてほしい」
 含蓄の深い言葉と思う。今の教育の課題の核心をズバリと突いている。″若年寄り″のような青年が増えているといわれる背景も、ここにあるかもしれない。
 見果てぬ夢――全人類の平和と幸福という私どもの目標こそ、まさに壮大な「見果てぬ夢」である。指導部の皆さまも、年とともに、いよいよ情熱をもって、その夢に向かっていく人生であっていただきたい。(拍手)
3  現場に学べ、そこに勝利
 ボイジャ12号の話が出たら、海王星の話をせざるをえない。(笑い、拍手)
 今年の最大の話題の一つが、この海王星探査であった。すなわち一九八九年八月二十五日午後〇時五十五分(米太平洋時間二十四日午後八時五十五分)に、ボイジャ12号は海王星に最接近した。約四千八百キロの距離まで近づき、貴重なデータを地球に送ったのである。たいへんな偉業といえよう。
 太陽系の″さいはての星″海王星(一九七九年から九九年までは海王星は冥王星の外側にあり、太陽からもっとも遠じ。地球からの距離は約四十四億キロ。信号電波(光)が届くのに、なんと四時間六分もかかる。
 ところで、このはるかな星を″発見″したのはだれか。それはベルリン天文台のJ・G・ガレである。
 一八四六年のことであり、今から百四十三年前。海王星の公転周期(太陽の周りを一回転する期間)は約百六十五年とされているから、海王星は″発見″されてから、まだ太陽を一周していないことになる。そのために、海王星の軌道は完全には確定されていない。

1
1