Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第二十回本部幹部会 信心の大海原に″妙法の新航路″を

1989.98.17 スピーチ(1989.8〜)(池田大作全集第73巻)

前後
1  未来に生きゆく若人たれ
 本日は、長野の代表幹部の皆さまに加え、関東会、白糸会、ほたる会、インテレクト会、また全国最高会議、白樺グループ、ドクター部、さらに海外の代表等が出席されている。日ごろの皆さま方のご活躍に対し、心から感謝申し上げ、称讃したい。(拍手)
 きょうはそうした思いをこめて、それぞれの方々とゆったりと対話するような気持ちで、スピーチさせていただきたい。(拍手)
 「過去」を食べて生きている人は「老人」である。「現在」を食べて生きている人は「中年」である。それに対し、「未来」を食べて生きる人こそ「若人」であり、「青年」である。
 これは、年齢の問題ではない。人生を生きゆく一念の姿勢の問題であり、心の境涯の問題にほかならない。
 ましてや大聖人の仏法は、本因妙の仏法であり、現当二世の大法である。現在から未来にわたり、永遠にして絶対の幸福を構築しゆく「法」といってよい。
 ゆえに私は、つねに未来を志向し、時代を先取りしながら前進してきた。胸中には、すでに百年、二百年先の構想がわき出でている昨今である。また、皆さまの胸中にも、それぞれ、大いなる希望が輝いているにちがいない。その意味で、二十一世紀は″すでに始まっている″のである。
2  「知力」鍛え時代の変化を先取り
 さて現代は、まさにめまぐるしい「変化、変化」の時代である。思想であれ、技術であれ、流行であれ、数年前の「新」は、たちまち「旧」となり、精彩を失う。この傾向は二十一世紀に向かってますます強くなっていこう。
 物の見方や価値観も多様化し、旧来の世界観で現実を理解することはむずかしくなった。たとえば、十年前には想像もつかなかった、「人間」「物」「情報」の世界的な交流である。これにより、地球の一体化と相互依存は飛躍的に高まり、従来の国家中心の考え方は大きく揺らいだ。柔軟にしてグローバル(地球的)な視点なくして、何も語りえぬ時代である。
 とともに、こうした時代の波浪と変転に流されぬ「個人」「人格」の確立が、いちだんと重要となっている。確かな人生の哲学、そして人間としての強靭な個性。これがなければ、人はいつしか、絶え間ない変化の波に押し流され、社会の激流に翻弄されてしまうであろう。
3  また、個人だけにとどまらず、いかなる団体にせよ、時代の急速なテンポについていけないものは、みるみる淘汰され、消えていく時代である。古き思想、古き表現もまた同様である。その意味で、二十一世紀は、あらゆる団体が生き残りをかけた″新たな戦国時代″ともなるにちがいない。
 それは、もはや軍事力の戦いではない。経済力のみの競争でもない。人々の精神性の宇宙をどう開き、心を充実させ、人間としての尊厳を実現していけるのか。だれがそれを成せるのか。その一点に焦点を定めた戦いである。その意味で、知恵と精神の力の限りを尽くした、まさに″精神の戦国時代″が到来するであろう。
 それは同時に、知力の勝負ともいえる″知の戦国時代″でもある。一面、たいへん厳しい時代でもある。しかし反面、いくらでも伸び、拡大していくチャンスが広がっているともいえる。むしろ痛快にしておもしろい時代ではないだろうか。(拍手)

1
1