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日蓮大聖人・池田大作

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第十二回全国青年部幹部会 汝の魂の真実に生きよ

1989.2.14 スピーチ(1988.11〜)(池田大作全集第72巻)

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1  未来を開く諸君の大活躍を
 きょうは、青年部の代表に加え、海外からも、アメリカ、ブラジル、ドミニカ、バングラデシュ、スウェーデン、ベルギー、イタリア、西ドイツ、ニュージーランド、オーストラリア、ミクロネシア連邦など各国の皆さまが出席されている。寒風の中、遠路をようこそ。心から敬意と歓迎の思いを表したい。
 若き諸君に会うと私は、過ぎし日の我が青春を思い起こす。
 青年は″青年である″というだけで、すでに″生命の王者″である。総理大臣や代議士より、また博士やいかなる富豪より、何百、何千倍もの人生の価値と未来を持つ。
 諸君を見ると、私には、希望がわく。勇気が出る。未来が洋々と広がり、明るさを感じる。
 私も、青春時代、戸田先生のもとにせ参じ、二十代の日々を懸命に生きた。いなき我が法戦の歴史を、存分につづったつもりである。三十代も、四十代も、そして五十代も、懸命に生き、戦い、広宣流布の道をひたすらに前進してきた。そこには、何の後悔もない。
 どうか諸君も、悔いなき青春であっていただきたい。取り返しのつかぬ不幸への堕落だらくの青春を絶対に生きてはならない。諸君のみならず、家族、一族の永遠の繁栄のためにも、この点を強く申し上げておきたい。私も、日夜、諸君の人生の充実と栄光を真剣に祈念している。
2  ある新聞社の記者と懇談した際、彼は「創価学会が大発展した原因はさまざま考えられるが、難解なんかいな仏法をわかりやすく、あらゆる次元に展開し、どんな人をも納得なっとくさせよう、より広げていこうと努力してきたことが、最大の要因の一つであろう」と語っていた。心ある人は、なるほどよく見ている、まとた評価であると感心した覚えがある。
 これからの学会を担い、支えゆくリーダーの諸君は、この点を深く自覚し、わかりやすく、普遍ふへん性のある話を心掛けていくよう、私は強く念願したい。
3  ソクラテスへの迫害は嫉妬に由来
 先日、創価大学大学院の出身である兵頭信二君と、古代ギリシャの哲学者ソクラテスとプラトンについて少々、語り合った。きょうは、その折の語らいそのままに、哲人と大衆、また師弟のかかわり等についてスピーチさせていただきたい。
 ソクラテス(紀元前四六九年〜三九九年)とプラトン(紀元前四二八年〜三四七年)といえば、知らない人はいないほどの大哲学者である。ヨーロッパ文明の一源流は、この師弟に発するといっても過言ではない。今なお、ソクラテスは「人類の教師」としてたたえられている。
 しかしソクラテスは生前、絶えず人々の笑いものとされ、あらゆる迫害にさらされた。そして最後は、死刑の宣告を受け、世を去った。その時、師ソクラテス七十歳、弟子プラトン二十八歳。ソクラテスは、だれよりもアテネを愛し、アテネに尽くした真の愛国者であった。しかも、当代随一の「知恵」と「正義」の人であり、プラトンいわく「最も正しい人」であった。
 そのうえ、当時のアテネは、黄金の古代文明の栄えた中心地であり、輝かしい「理性」と「民主主義」の都であった。そのアテネで、どうして理不尽きわまる中傷の歴史が起こったのか。
 思えば御本仏・日蓮大聖人の御生涯も、苛烈かれつな迫害の連続であられた。学会の歴史もまたそうであった。ソクラテスをめぐるアテネの歴史には、現代にも通ずる重要な教訓がある。

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