Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第10回全国青年部幹部会 一歩また一歩新しき世紀へ

1988.12.10 スピーチ(1988.11〜)(池田大作全集第72巻)

前後
1  現実の行動こそ大切
 本年の掉尾とうびを飾る青年部幹部会、本当におめでとう。
 当初、ここでは、ソクラテスの哲学と仏教について、少々、論じたいと思っていた。が、「年末はそうしたテーマの話は、頭に入らない」、また「難しい話は、一年の終りを飾るのにふさわしくない」といった声もあり、それは、別の機会としたい。そこできょうは、私が日ごろ考えていること、また、ぜひ、諸君に語り残しておきたいことを、思いつくままに、懇談的に、お話しさせていただきたい。
2  先ほどは、音楽隊、鼓笛隊の代表の皆さんが、素晴らしい演奏を聴かせてくたざった。その真心に、心から、感謝申し上げたい。演奏を聴きながら思った。どれだけの人が、音楽隊の凛々りりしき青年に感銘し、学会の世界へと心を開いていったか。また、何人の人が、鼓笛隊の清らかな姿に心を動かされ、入信を決意したことか。それは、数限りないであろう、と。また、これは多くの心ある人々の一つの結論でもある。
 理論や理屈によるというよりも、ほとんどの方は、身近な学会員の姿を見、真心に触れて入信してくる。
 「学会の人は、話し方がすがすがしい。思いやりが深い。誠実である」「学会には、素晴らしい音楽・文化がある」「学会の女子部は美しく、さわやかである。ぜひ息子と結婚させたい」、「職場でも、信心している人は、意欲的だし、どこかちがう」――こうした私たちの日常の姿、平凡な振る舞いに心ひかれ、人々は仏法に興味を持ち、関心を深めていくのである。
 反対に、人々の心を遠ざけ、時には離反させていったのも、心ない幹部の振る舞いや、不用意な言動であった。
 所詮、仏法の真髄しんずいの一つは、振る舞いである。また難信難解なんしんなんげの仏法を、いかに弘め、多くの人々に教えていくか。その意味でも現実の行動が大切である。とくに幹部の皆さま方は、さわやかで、誠実な振る舞い、姿勢であるよう、つねに心掛けていただきたい。
 リーダーの話を聞き、また人柄に触れて、「何か、ホッとした」「とても楽しく、疲れが吹き飛んだ」「話に納得性があり、仏法への理解が深まった」――そういった声が広がっていくようでなければ、今後の、さらに壮大なる広布の発展はありえない。
3  「新しき世紀をつくるものは、青年の熱と力である」――これこそ、戸田先生の永遠の叫びであったし、今も変わらぬ万国共通の法則である。
 新しき世紀――二十一世紀の幕開けは、近い。ゆえに、私には、諸君こそ最も大切な存在であり、諸君に、後事の一切を託し、お願いするしかないと思っている。
 この一年も、青年部の成長と活躍は、大変に目覚ましかった。心からご苦労さま、ありがとう、と申し上げる。とともに、広布の未来にとってまことに重要な節目となる来年、再来年も、秋谷会長を中心に、「青年部が全責任を担っての活躍を」と、強く訴えておきたい。
 草創期にあっても、一切を企画・推進し、先頭に立って苦境を開き、広布の原動力となったのは、私ども青年部であった。このほまれの伝統を、確かに諸君は引き継いでもらいたい。そして雨が降っても、雪が降っても、嵐となっても、着実に一歩一歩、進んでいくことだ。どんなに小さな歩みであっても、つねに前進を忘れなければ、やがて輝かしい進展が未来に待っているからだ。

1
1