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日蓮大聖人・池田大作

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第一回未来部総会 学び鍛えよ 未来のために

1988.8.7 スピーチ(1988.5〜)(池田大作全集第71巻)

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1  未来部担当者に心から感謝
 きょうは、全国の各地に約八万人の後継者が集い、元気に未来部総会を繰り広げている。そのはつらつたる壮大な姿は、私の最大の喜びである。心から、ご苦労さまと申し上げたい。
 昨日、関西創価小学校の先生と、しばし懇談した。そのさい、″あすの未来部総会では、少々、長く、難しい話をしたいと思う″と話すと、その先生は″何事も簡略化している世の中である。努力より遊び、との風潮もある。その時代の先端をいく中学生や高校生に、長く、難しい話というのは、あまり得策ではないのではないか″と最初はいわれた。しかし「将来、本格的な仏法の指導者、社会の指導者となるために、長時間で、また難しい哲学、歴史等の話をされることは、大変重要であるし、一生忘れないと思う」と結論として語っていた。
 そういう意味からも、私は、きょうは一時間ほど、少々難しいかもしれないが、一つの歴史を通しながらの話をさせていただきたい。
2  今は、夏休みでもあり、多くの友人は、自由に遊び、楽しんでいるかもしれない。しかし、その時に、真剣に自身を鍛え、努力している諸君こそ、真の人間としての「人格」を養い、将来、偉大な指導者となりゆく人である。その意味から、この研修道場で、学び、語り、決意したことが、将来、どれだけ、成長の糧となり、滋養となっていくか。それは、計り知れないと、私は確信している。
 かつて、夏季講習会では必ず、二時間、三時間の唱題を行った。普通、家にいては、なかなか、長時間の唱題に励むことは難しい。だから夏休みこそ、総本山で、思う存分に唱題に挑戦した。
 唱題は楽ではない。時間とともに、足はしびれ、ヒザがガクガクになってくる。だが、おわるとスッキリし、生命力がわいてくる。こうした青春の鍛えに徹し、自身を鍛錬した人たちは、信心の正道を歩み、今日、力ある人材と育っている。
 ところで、この席で私は、ぜひとも、最初に未来部の担当者の方々に、心から敬意と感謝の言葉を述べておきたい。
 担当者の皆さまは、貴重な時間をさき、大切な後輩たちのために、真剣に奔走しておられる。信心のことはもちろん、様々な相談も受け、妙法の弟、妹たちを、時には、肉親にまさるともおとらぬ愛情で包み、いつくしんでいる。そうした皆さまの慈愛の翼のもとからは、数限りない広布のおおとりが巣立ち、社会のリーダーが育ってきている。
 これほど尊い行動の汗はないし、これ以上の人間としての先輩のほまれはない。私は、つつしんで御礼を申し上げる次第である。
3  未来部の諸君にとって、信仰の先輩が、いかに重要な存在であるか。今は、なかなか分からないかもしれない。
 諸君は若いゆえに、時には、熱心な先輩の激励をうとましく思い、「しつこい」とか、「勤行の説教は聞きあきた」とか、「勉強、勉強ってうるさい」などと思うことがあるかもしれない。
 しかし、現代はエゴの時代である。肉親ならいさ知らず、他人でありながら、真心で人の成長を願い、励ましてくれることなど、まず、ほかの世界では考えられないことである。それが、いかに尊く、ありがたいことであるか。それは、諸君が将来、立派に成長し、社会の指導者として人を育てる立場になった時に、しみじみと、実感してくるにちがいない。

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