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日蓮大聖人・池田大作

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新宿、練馬区合同総会 この一生を青春の心で

1988.1.15 スピーチ(1988.1〜)(池田大作全集第70巻)

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1  「成人の日」の晴れの門出を祝福
 本日は1・15「新宿の日」であり、まず本陣の地・新宿の皆さま方に、「おめでとうございます」と祝福申し上げる。また大切な練馬の友、海外代表の南米メンバー、中等部、高等部の若き諸君、さらにプラトン十年会そのほか、すべての皆さまのご参集の労に対し、心よりご苦労さまと申し上げたい。
 きょう一月十五日は、ご承知の通り、「成人の日」である。この会合にも、成人となられた多くの麗しき淑女しゅくじょ、またジェントルマンの方々が見えられている。まことに晴れやかにして、はつらつたる姿であり、最大に祝福申し上げる。とともに、いついつまでもこの日の清新な生命のまま、若々しく生き抜いてほしいと願ってやまない。
 また、私ども先輩も、一人のこらず、もう一度「成人の日」を迎えた心意気で、生涯永遠の青春へと出発してまいりたい。
2  未来は、若き諸君のものである。ゆえに私は、青年の諸君にこそ語りたい。伝えたい。言いのこしておきたい。また常に後輩なかんずく青年の育成に対して、全力で取り組んでいるつもりである。その心情と信念のうえから、本日も特に若き諸君を念頭において、懇談的にスピーチさせていただく。
 まず、青春時代とは何か。それは何より「悩み多き時代」であろう。
 未知の世界へ向かって、これから進みゆく青春の日々。そこには、悩みはつきものである。いや、悩みの連続こそ青春時代といってよい。
 社会に対する悩み、前途に対する悩み、どのように生きればよいかという悩み、父母をはじめ家庭に対する悩み、自分の性格に対する悩み、異性に関する悩み等々、それぞれの境遇において、悩みは実に多様であり数限りない。これが現実の「青春」である。
3  君たちよ、大鳳となって飛べ
 ――巣立ちゆこうとする小鳥は、「森」も「空」も「雲」も「雨」も、みな悩みと感じるかもしれない。小さな胸は不安と恐れでいっぱいであるにちがいない。しかし、雄々しく育った大鳳おおとりにとっては、それらは何の悩みでも恐れでもなくなる。人間も、人生もまた同じである。
 ゆえに大切なのは自分自身が大鳳へと成長することである。自らを鍛え、自らを磨き、自ら学びゆくことである。
 そのかなめの一点を避けて、他人の姿に惑い、また環境を嘆いても、真実の人生の完成もなければ勝利もない。むしろ悩みは深まるばかりであろう。
 その意味において、諸君は自分を磨き、鍛錬してくれる人々を、心からうれしく思い、感謝できる一人一人であってほしい。その求道と向上の一念に、「充実の青春」が、そして「正しき人生」が結実していく。人生の精髄せいずいを説き明かした仏法の教えの重要な一端もここにある。
 ともあれ当然、人さまざまな生き方がある。しかし、人生に「やり直し」はない。ゆえに私は諸君に、後になってい悲しむような、運命に翻弄ほんろうされた人生だけは送ってもらいたくない。この切なる心を知っていただければ幸いである。
 そして、いかなる悩み、迷いがあろうとも、いな悩みが出現すればするほど、妙法を唱えきって前へ前へと進み、「煩悩即菩提ぼんのうそくぼだい」の法理を見事、我が身に証明する生涯であっていただきたい。

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