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日蓮大聖人・池田大作

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学会創立五十七周年記念合同総会 妙法は「永遠の生命」活かす本源

1987.11.15 スピーチ(1987.7〜)(池田大作全集第69巻)

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1  広布の文芸活動に期待
 本日は、11・18「創価学会創立記念日」を祝賀しての合同総会である。心からお祝い申し上げたい。また寒いところ、休日にもかかわらず参集してくださった皆さま方に、私の方こそ感謝申し上げ、その労に深く敬意を表させていただく。
 本日も、この席を借りて、昨今、つれづれに思い、考えていることを、後世のために、お話しさせていただきたい。
 自分のことで恐縮であるが、私は早くより、どちらかというと文を書くことが好きであった。幼少時代から体は弱いし、これといった取り柄もない。しぜんと文だけは好きになっていったようだ。
2  尋常小学校の一年の時である。手島先生という優しい女の先生がいた。その先生に「つづり方」、今でいう作文が大変よくできていると、全学年から二人だけ選ばれてほめてもらった。その思い出は今なお懐かしく、忘れ得ぬ、私の″おとぎの国″の一シーンとなっている。
 ともあれ体も強くない。他に特別な才能もない。何とか文筆で立てればと思ったことも青年時代にはあった。そうしたなか、戸田先生が日本正学館という出版会社を経営されている時、当時の幹部から誘いがあり、喜んで入社した。
 短い期間ではあったが、多くの著名な作家とも出会えたことは、大変うれしかった。それは、懐かしくも思い出多き、私の大事な歴史となっている。詩人の西条八十やそ、ユーモア小説の佐々木くに、時代小説家の山岡荘八、山手樹一郎等々の諸先生であり、他にも多くの面識を得た。
3  きょうも、全国の文芸部の代表の方が参加しておられる。私も、かねてより文芸部の一員の自覚で進んできた。広宣流布における文芸活動は非常に重要である。私はつねに注目してきたし、懸命にその″道″を開いてきたつもりである。また、これからも見守っていく決意である。
 ところで、我が文芸部の草創からの同志であり、多大な貢献をされてきた大林しげるさんが、このたび『人間の旗 小説・吉田松陰』(上下巻、潮出版社刊)を出版された。大変に意義深く、うれしいニュースであり、文芸部の一員として心から祝福させていただく。大林さんは本日の会合にも遠路、出席されている。真心からの拍手を送りたい。
 同じく社会的に大きな活躍をしている人にも、二種類ある。すなわち、さほど学会内で広宣流布のための苦労もせず、じょうずに泳ぎながら偉そうに見せている人。一方、組織のなかで、苦労に苦労を重ね、汗まみれ、泥まみれになり、真実の広宣流布を推し進めながら、前者ほどには社会的に恵まれない人がいる。
 どちらの人が尊いか。また大切か。信心の次元からみる時には、その答えは、おのずから明瞭である。いうまでもなく、それは後者の人である。

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