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日蓮大聖人・池田大作

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「創価班」「長城会」第2回合同総会 苦闘なき青春に栄光なし

1987.11.2 スピーチ(1987.7〜)(池田大作全集第69巻)

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1  現代は「嫉妬の時代」
 ここ東京会館(=現在の東京牧口記念会館の建設以前の場所にあった礼拝施設)には、文化の日の記念行事を祝して入り口にも、庭にも、菊花が美しく飾られ、馥郁ふくいくとした香りで、私どもを迎えてくれた。数多くの菊花を丹念に育て、真心を込め飾ってくださった方々に、まず私は、心から感謝申し上げたい。
 確かに、菊の花もきれいである。が、未来を志向し、生きゆく諸君のかんばせは、なお一層、清く、美しい。私には、そう思えてならない。
 これまで何度もお話ししてきたが、青春時代の労苦ほど大切なものはない。それが揺るぎない人生の土台となり、総仕上げへの礎となっていくからだ。
 社会や物事にもそれぞれ法則があるように、人生にもおのずと法則がある。脆弱ぜいじゃくな土台に、高層建築は絶対に出来ない。と同じく、若き日の鍛えという人生の基盤のない人に、不壊ふえなる盤石な生涯は築けない。
 私の人生も、六十年になんなんとしている。この間、じつにさまざまな人間模様を見てきた。なかには、苦労をせずに偉くなろうとする人、また、苦労を避け、財を得ようとする者もいた。学会にもそうした者がいたが結局、「信心即生活」という確たる法則から逸脱し、敗北の人生となっていった。
 つまり、退転し、学会や多くの同志に多大な迷惑をかけてきた人間は、本当の意味の信心の苦労や人生の労苦から逃げていた。それでいて、早く偉くなりたい、名声を得たいと画策し、要領主義で動いてきた。泳いでいた。何たる卑しき心根であろうか。
 それに対し、諸君は、日夜、尊き任務を遂行し、誠実に会員を守り、学会を厳護してくださっている。そして同志を慈しみ、励まし、広布を推進している。私は全会員を代表して、深甚の敬意と感謝を捧げたい。
2  ところで、仏法を基調とする″人間の機関紙″の社説(「聖教新聞」昭和六十二年十月六日付)に、「″嫉妬しっと″の世相に思う」との一文があった。
 そこでは、まず「人のよに・すぐれんとするをば賢人・聖人と・をぼしき人人も皆そねみ・ねたむ事に候、いわうや常の人をや」との「四条金吾殿御返事」の一節を拝し、論を進めている。先ごろ、広島大学の学部長殺害の犯人が同じ学部の助手であったとのニュースがあったが、それを聞き、「ふと、この御金言を思い出した」という。
 確かに、「賢人・聖人と・をぼしき人人」、また″エリート″も、人のことをねたみ、そねむ。まして、普通の人であれば、すぐれた人に嫉妬を抱くのは、当然のことかもしれない。
 「現代を『嫉妬の時代』と見立てた人がいる」と社説は述べている。そして「嫉妬の『嫉』も『妬』も、そねみねたむことを意味するが、ともに他人の善事・よきことを、そねみねたむところに特徴がある。他人が成長し、幸せになっていくのを見て、その足を引っ張ろうとする」「立派な人格者や有能な人物を尊敬することを知らず、いたずらに自分と同じ低い境涯に引きずりおろそうとする」「嫉妬の人に共通するのは自信を喪失(そうしつ)していることだ。(中略)そういう人に限ってよく社会や時代が悪いという。自分の外に原因を求める、いわゆる外罰性が強い」と。
 さらに「同じ生きているといっても『生ける生』を生きている人と、『死せる生』を生きている人がいる」といっている。生命力が弱くなってくると、人は次第に「死せる生」へと落ち込み、やがて一部のマスコミと結託する。そして「ありもしないスキャンダル」を捏造ねつぞうする。これが「嫉妬の構造」である、というのである。
 ある著名な記者と懇談した折、彼はこう語っていた。学会は、余りに清らかである。学会は喜びに満ちている。しかも、ますます発展している。学会への非難は、それに対する日本人の小さな心の「やっかみ」「嫉妬」「ヤキモチ」である、と。
 社説は、「嫉妬の時代」といわれる現代にあって、まず自分の心中に巣くう嫉妬の心に支配されることなき、より大きな「勇気」と「慈悲」の人に育っていく以外にないと思うとし、論を終えている。
 諸君は、まずみずからの卑しい心と戦い、克服しながら、堂々と正義の道を進みゆくリーダーであってほしい。
3  広布の「大志」貫く勇者の道を
 諸君は、「将のなかの将」の存在である。が、その責務は、大半が目立たぬ陰の任務である。ゆえに、政治家や有名人のように、マスコミに騒がれ、チヤホヤされることはない。しかし、広布のために身を尽くすその使命は、いかなる立場の人よりも尊く、しかも一時的なものではない。永遠なる広布の大道をつくっている。また人類の平和の道をつくっているのである。
 陰の任務に徹している尊貴な方々は、諸君だけではない。以前、転輪会総会で、″広布の輸送に黙々と励む皆さまに心から感謝したい″と述べた。私は、陰で広布の使命に挺身しているすべての方々に、私は、この席を借りて、あらためて「本当にありがとうございます。ご苦労さま」と申し上げたい。

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