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日蓮大聖人・池田大作

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8・24記念杉並区幹部会 人類永遠の安穏の道を開示

1987.8.27 スピーチ(1987.7〜)(池田大作全集第69巻)

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1  世界の「安国」のために正法流布を
 晴やかな幹部会の開催を、まず心から祝福したい。本日は私の入信記念日「8・24」を記念する意義もこめられているとうかがっている。まことに恐縮のいたりである。私が入信し、御授戒を受けたのは歓喜寮である。これまで長く″中野の歓喜寮″と言い親しまれてきたが、実際は「中野区に近い杉並区」にあることが判明し、認識を新たにした。その意味からも、本日は、まことにうれしい集いとなったと申し上げたい。
 また、この幹部会の模様は他の会合に出席された多くの皆さまにも伝えられることになっている。すべての参加者の方々に対し、遠いところ、暑いところ、本当にご苦労さまと、その労をたたえたい。また心より感謝申し上げるとともに、皆さまのご多幸を深く念願する次第である。
2  さて、きょうは法華経に説かれる「諸天善神」についてお話ししたい。時間の都合でごく概略的な話のみになると思うが、今後、さらにさまざまな角度から、幅広く論じさせていただきたいと思っている。
 ――私の入信は昭和二十二年(一九四七年)八月二十四日。その十日前に初めて戸田先生にお目にかかった。蒲田の三宅宅での座談会であった。その時、戸田先生は、「立正安国論」を講義されていたことを、はっきりと覚えている。
 安国論は、ご承知の通り、「日蓮大聖人の仏法は立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」と言われる重書である。立正安国にこそ、御本仏の根本精神があられる。
 戸田先生も、かつて、「なぜ広宣流布が必要か。それは、私はこの地球上から″悲惨″の二字を無くしたい。そのためには断じて広宣流布する以外にない」と強く述べられていた。その先生のお姿を、今もって忘れることはできない。
 正法による人類の救済――それは、もとより日本一国にとどまるものではない。私は、これまで世界四十数カ国の国々を訪問してきた。これからもさらに平和のために駆け続ける決意である。(=平成五年二月のチリ訪問で五十ヵ国に)
 それら、どこの国にあっても、いまだ真実の安穏はない。崩れざる平和はない。正法による「安国」が必要でない国はない。立正安国は、すべての国々にとって、いよいよ切実な法理であり、いわば「立正」による「安国」、そして「安・世界」を人類は求めている。これが現実であり、正法を流布する以外に、人類の永遠の安穏は絶対にない。
 この、時とともに輝きを増す「立正安国」の法理。諸天善神とは、その中核となる法華経の教えである。
3  法華経に説かれる諸天善神
 「諸天善神」は、正法を受持する″人″と、その″国土″を守護し、福徳をもたらす宇宙の働きのことである。「諸天」の名のごとく、一般に天界に属し、「善神」の名のごとく、正法を守り、人々の幸福を助ける善の力用を持っている。ゆえに正法が流布すれば、必ず、その国の民衆も国土も守られ、栄え、平和と幸に輝いていく。
 「諸天善神」は、法華経の会座えざに来集し、法華経の行者を守護する誓いを立てている。法華経の行者とは別しては日蓮大聖人、総じては広布に進む私ども門下である。
 諸天が集った模様は、法華経の序品第一に説かれている。(開結一二一頁)
 それによると、まず「釈堤桓因しゃくだいかんにん」。これは帝釈天たいしゃくてんのことである。帝釈天といっても、映画「男はつらいよ」で有名な東京の葛飾に住んでいるわけではない。世界の中心とされる須弥山しゅみせんの山頂・喜見城きけんじょうに住み、四天王を従えて三十三天を統領しているといわれる。
 また「娑婆世界の主・梵天王ぼんてんのう」。梵とは清浄、寂静、浄行の義である。序品では「尸棄しき大梵」「光明大梵」等の名も見える。
 梵天と帝釈は諸天善神の代表であり、仏の説法の時には、仏の左右に列なり、法を守護する。ともに、六道の凡夫が住む三界の広大な天地を領する善神である。それから見れば、一国を形だけ治めていばっているリーダーなど、比較にならぬほど小さな存在である。
 また「名月天子みょうがってんじ」(月)、「普香天子ふこうてんじ」(明星を代表とする諸星)、「宝光天子ほうこうてんじ」(太陽)の、三光天子も来集している。
 さらに「四大天王」がいる。御本尊の四隅におしたための諸天善神である。
 このうち「持国天王」は、治国天ともいい、東方を守護する。他の西南北の三州をも兼ねて守護するので持国という。また「安民」の名もあり、文字通り、国土を平和に治め、民を安穏に守護する働きである。
 「広目天」は、西方を守護し、浄天眼をもって常に衆生を観察している。悪を見破り、悪人をこらして仏心を起こさせる。核兵器等、悪魔の働きを見破り、防いでいく働きも、これに含まれると考えられる。
 「毘沙門天びしゃもんてん」は多聞天ともいい、北方を守護する。財宝富貴をつかさどって、その力で仏法を守護する。また多聞の名の通り、常に仏の説法を多く聞き、仏の道場、法座を守る。
 「増長(ぞうじょう)天王」は南方を守護し、衆生の所業の善悪を検討し、帝釈天に報告する。また増長とは免離の意味で、煩悩や不幸を近づけない働きとされている。
 以上が四大天王で、みな帝釈天に率いられた勇将である。
 そして「自在天子」「大自在天子」も集っている。大自在天は威力をもって三千世界を支配するとされる。いかると国土が荒乱するので、暴悪とも称する。
 これら序品に説かれた諸天は、それぞれ一万ないし三万の眷属けんぞくとともに釈尊の法会ほうえに列座している。

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