Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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山形幹部大会 仏法は心尽くす行動のなかに

1987.7.6 スピーチ(1986.11〜)(池田大作全集第68巻)

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1  誠実、正直、粘り強き県民性
 新県長を迎えた″新生・山形″の出発の幹部大会、心からおめでとうと申し上げたい。新任の大沼県長は、『三国志』でいえば、あたかも呉王の孫権を思わせるような、凛々りりしい青年県長である。山形に生まれ育ち、県男子部長、県青年部長も歴任した、いわば山形″直系″の逸材であり、私もその将来に最大の期待を寄せている一人である。
 また、県長を支える宮古青年部長、鶴巻男子部長も、将来を嘱望しょくぼうされる人材である。山形県の中心となるこのトリオは、若々しい未来の発展をみるようで頼もしい限りである。しかも、後継の人材群の成長も著しく、五年、十年後には、東北でも最高に光り輝いた広布の天地・山形となることを確信してやまない。
 どうか、大沼県長を中心に、一段と力強い信心の前進をお願いしたい。また、壮年・婦人の先輩の方々には、若き県長を、守り、支え、立派なリーダーへと薫陶をお願いしたい次第である。さらに県長も、先輩らの意見をよく聞きながら、真心込めて会員に尽くし、全力で戦っていただきたい。
2  山形の県民性は「誠実」と「正直」といわれる。ウソをい虚偽を憎む。その性質は、信心の上でも、正法流布の上でも、いかんなく発揮され、大きく生かされている。この山形を訪れる人は、たちまち「誠実」と「正直」の鏡に照らし出されるような気がするにちがいない。
 山形は、何といっても、″果実王国″である。生産量も、洋ナシが全国一位、ブドウが二位、リンゴ・カキが三位、モモ四位、スイカ七位など、まさに″王国″の名にふさわしい。
 特に、サクランボの生産は、群を抜き、日本では七八%の占有率といわれる。サクランボの品種は、世界で約千二百あるといわれるが、山形の「佐藤錦」「ナポレオン」種は、特に優れていると聞く。
 しかも、丹精込めてつくられ、その様は、学会の人材育成の在り方にも似ているが、最近は貿易自由化の動きで、海外ものも進出しており、将来は、産業としても、予断を許さない。
 しかし、山形人特有の粘り強さで、どんな苦難も乗り越え、″果実王国″としての繁栄を守ってほしい。また、それ以上に、″福運の王国″″正法の王国″となっていただきたい。それが、私の心からの念願である。
3  迅速、善根、納得の励ましを
 さて、ここで大聖人の御書を拝しながら、少々、話を進めたい。
 「妙法尼御前御返事」には、次のような仰せがある。
 「おもんみれば日蓮幼少の時より仏法を学び候しが念願すらく人の寿命は無常なり、出る気は入る気を待つ事なし・風の前の露尚譬えにあらず、かしこきもはかなきも老いたるも若きも定め無き習いなり、されば先臨終の事を習うて後に他事を習うべしと思いて、一代聖教の論師・人師の書釈あらあらかんがあつめて此を明鏡として、一切の諸人の死する時と並に臨終の後とに引き向えてみ候へばすこしもくもりなし
 ――そもそも、振り返ってみれば、日蓮は幼少のころから仏法を学んできたが、その時に念願したことは、″人の寿命は無常である。出る息は入る息を待つことがない。風の前の露という表現もなお、このはかなさのたとえとしては十分ではない。賢い者も、愚かな者も老いたる者も若い者も、いつどうなるか分からないのが世の常である。それゆえ、まず臨終のことを習って、後に他のことを習おう″と思い釈尊一代の聖教と、論師や人師の書や釈をあらあら考え集め、これを明鏡として一切の人々の死ぬ時と臨終の後とを引き合わせてみたところ少しもくもりがない――と。

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