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日蓮大聖人・池田大作

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全九州幹部総会 興隆する宗教とその精神

1987.5.12 スピーチ(1986.11〜)(池田大作全集第68巻)

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1  九州の同志に栄光と繁栄あれ
 きたる十月には、いよいよ、この九州の地で、第八回世界青年平和文化祭が開催される。また、海外からも五十数カ国五百人の世界の友が参加する。
 地元・福岡県をはじめ九州の皆さま方には、何かとお世話になることと思うが、くれぐれもよろしくお願い申し上げたい。
 福岡県を中心とした話になるが、この地も、すでに四十万人に及ぶ地涌の陣営となった。昭和二十年前後には、数えるほどしか会員がいなかったことを考えれば、大変な発展である。今や、勝利と栄光の広布の礎が、盤石に築かれたといってよい。その間、広布の拡大にまい進されてきた皆さま方の功徳は、絶大である。御本仏・日蓮大聖人もことのほか御称賛くださっているに違いない。また、諸天善神の加護もいかばかりかと確信する。
 偉大なる発展の歴史を刻まれてきた九州の同志に「栄光あれ」「繁栄あれ」と、まず申し上げたい。
2  九州といえば、阿蘇山や桜島など、豪快に噴火の煙を噴き上げる火山を思い起こす人が多いのではないか。まさに、風土からして「火の国」といえよう。
 そこで、きょうは、火山にちなみ、著名なリットン卿の歴史小説「ポンペイ最後の日」を通し、話をしてみたい。ところで私が、折にふれ、様々な小説、思想、人物、歴史等の話を少々詳しく申し上げるのも、知識と教養を高める機会にもなればとの思いからであることを、ご了承願いたい。
 皆さま方は、広布のリーダーである。ゆえに、それにふさわしい、豊かな教養をもった、また知識ある人であっていただきたい。その意味で、こうした場を生きた″人生大学″の教室ともして、成長と向上の一助にしていただければ幸いである。
3  『ポンペイ最後の日』にみる人間の実相
 さて、小説の舞台は、西暦一世紀、ローマ帝国の時代に繁栄を極めた古代都市ポンペイである。ちょうど時代は、暴君として名をはせた皇帝ネロの統治時代の直後に当たる。当時、ポンペイは、ローマの植民都市として栄えており、街には享楽の気がみちていた。
 そうしたなか突如、ベスビオ(ヴェスヴィアス)山の大噴火が起きたのが、西暦七九年の八月二十四日といわれる。富豪達の豪邸が並ぶ街は、流出した溶岩が押し寄せ、降りしきる火山礫と灰に埋もれる。約二万人の市民のうち、一割に当たる二千人が死亡。繁栄の商都は、一挙に荒廃の地へと変貌する。これについては、さまざまな歴史的、科学的考証がなされているが、ここでは略させていただく。

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