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高齢者介護 愛情と智慧にあふれた長寿社会を

「健康対話」(池田大作全集第66巻)

前後
1  池田 日本は、これから、どんどん高齢社会になっていきますね
 松本 はい。二十一世紀には″世界一の高齢社会″になると言われています。
 池田 二〇十五年ごろからは「人口の四人に一人が六十五歳以上」になるという計算もある。(『日本の将来推計人口 平成四年九月推計』厚生統計協会、参照)
 「うまく老いることは死ぬことよりもむずかしい」と言った哲学者もいたが、老年期をどう生きるかは大きな課題です。「高齢者介護」という面から、このことについて考えてみましょう。
 まず高齢者の健康管理は、どんな点に注意すればいいですか。
 小島 「無理をさせない」ことです。年齢が進むと、体力や筋力が弱くなり、体のいろいろな機能が低下してきます。
2  自分で気づかない体調の変化
 稲光 体調の変化を見逃さないでください。高齢になると、「自分では気づかない」ことが多いんです。見ていて「どうも元気がない」と思い、体温を測ったら熱があったということも珍しくありません。
 また、病気にかかっていても熱が出ないことがあります。食事の量や手足のむくみなどに注意してください。
 小島 入浴のときなど、さりげなく全身を観察することですね。皮膚炎を起こしているのに気づかないこともあります。放っておいて化膿すると大変です。
 稲光 「ひんぱんにトイレに行く」「便秘が続いているようだ」「外出しなくなった」「言葉数が減った」などの変化があったら、注意が必要です。病気の初期症状のこともあります。
 松本 とくに、糖尿病や高血圧などの持病がある方は要注意です。症状が軽いうちに治療を受けてください。
3  家庭での転倒事故を防ぐには
 池田 高齢者の転倒事故も、よく聞きますね。家の中での事故も多い。高齢になると片足で立っていられなくなるし、体のバランスが悪くなるんですね。
 松本 はい。玄関やトイレ、浴室などの入り口などは、できるだけ段差をなくしたほうがいいと思います。
 小島 電気のコードや新聞・雑誌も、つねに整理しておくことです。室内の照明は明るくし、階段には滑り止めテープを張るのもいいと思います。足元も明るくしてください。
 松本 服装も動きやすいものにします。スリッパは、滑るので気をつけてください。外出のときには、ぴったりあったズックが安全です。
 稲光 買い物のときは、できればリュックを使うなど、両手が自由に使えるようにしておくことも大切ですね。
 松本 こうした注意にもかかわらず、病気や事故が原因で、一人で日常生活ができなくなると、本格的な介護が必要になります。

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