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後記 「池田大作全集」刊行委員会

「希望対話」(池田大作全集第65巻)

前後
1  本巻は、池田名誉会長の著作『希望対話』と『未来をひらく君たちへ』の二編を収録している。ともに名誉会長が、中学生の悩みや質問に答えて語った″青春相談の書″である。
 『希望対話』は、「21世紀を生きる君たちへ」との副題で、二〇〇〇年四月から同年十二月まで「聖教新聞」に、二〇〇〇年五月から二〇〇一年三月まで聖教新聞発刊の中学生向け季刊誌「中学生文化新聞」に連載されたものである。
 その後、単行本として発刊された『希望対話』は、アジア地域で翻訳・出版された。シンガポールではベストセラー入りし、台湾では行政院新聞局から人文部門の「小中学生優良課外読本」に推薦されるなど、大きな反響を広げている。
 中国・杭州在住の著名な画家・蘇東天氏は、『希望対話』に次のような書評を寄せている。(二〇〇三年)
 「本書は多くの少年少女の悩みを解決する手助けになるだけでなく、心を大きく開き、みずからの志を固め、智慧を開発し、人格を磨く原動力となり、大きな希望の力をわかせてくれる」「池田会長の一つ一つの言葉は、若者の心に直接響く情熱の力をもつ」と。
 「若者の心に直接響く、情熱の力をもった言葉」――名誉会長の発する言葉の魅力を的確につかんだ評価といえよう。
2  『未来をひらく君たちへ』は、「少年少女との対話」との副題で、一九七二年に金の星社から単行本として発刊されたもの。
 「私は少年と語りあうのが大好きだ」――『未来をひらく君たちへ』のはしがきで、最初に名誉会長はこうつづっている。
 さらに、「私は、諸君を、大人と変わらぬ、立派な一個の人格として尊重し、尊敬もしています。紳士とも思い、淑女とも思っておつきあいしています。それが最も正しい態度だと思うし、これからもそうしていくつもりです」と述べている。
3  『未来をひらく君たちへ』の発刊当時、名誉会長は四十代である。名誉会長にとって、当時の中学生は、ちょうど、わが子にあたる年代だった。
 それから三十年。『希望対話』を語りあった時の中学生は、名誉会長にとって孫にもひ孫にも相当する年代であり、自然とその語り口などは異なっている。
 しかし、子どもを一個の「尊い人格」として尊重する。この一点は、どれほど歳月を経ても、何ら変わっていない。この名誉会長の姿勢は、どこからきているか。
 それはまさに、牧口初代会長が「教育の目的は、子どもの幸福である」とし、一人一人の子どもたちの中に等しく「無上の宝」を見いだした姿と重なる。
 そしてまた、戸田第二代会長が「子どもといっても、一人前として尊重しなくてはいけない」と叫んだこととも二重写しとなっている。
 子どもたちを「未来の建設者」として最敬礼して迎えていく。そして、子どもたちの無限の可能性を開き、幸福を実現するためならば、自分は喜んで犠牲になっていく――そこに創価三代の会長に脈打つ、人間教育の魂がある。

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