Nichiren・Ikeda
Search & Study
勤行は何のため?
「希望対話」(池田大作全集第65巻)
前後
1 ―― 私たち二十一世紀使命会に、長編詩(「太陽と輝け! 希望の英雄」)を贈っていただき、本当にありがとうございました。(「聖教新聞」二〇〇〇年七月三一日付)
「未来に生きゆく/若々しき後輩の育成を/万事頼まむ!」とのお言葉に、全力でこたえていこうとみな、誓っています。
池田 今の中学生、高校生、小学生が人間として大成長できるかどうか。それで、二十一世紀は決まる。その成長を「全人類が待ち望んでいる」と言っても、おおげさではありません。
そのためにも、まず、みんなの面倒をみている「二十一世紀使命会」の方々が健康で、人生を大勝利してほしい――それが私の気持ちです。
―― ありがとうございます。がんばります。今回は、勤行についての質問です。
「親から『勤行しなさい』と言われますが、面倒くさくて、なかなかできません。なぜ勤行しないといけないのですか?」
彼は中学一年生ですが、じつは、そのころは、自身も週に一回くらいしか、できませんでした。まじめに朝晩するようになったのは、三年生の冬、受験を前にしてからです。
池田 なぜ、受験の前に勤行を始めたの?
―― もちろん、勤行したほうが得だからです。勉強もはかどるし、受験の不安もありましたし……。
池田 得だと知っているなら、もっと早くからすれば、もっと得だったね。(笑い)
―― 親から「勤行しなさい」と言われると、かえって反発したくなる人もいます。ある人は、お母さんと「知恵くらべ」をしたそうです。「勤行しておきなさい」と言って、お母さんは出かけました。帰ってきたので、「勤行したよ」とウソをついたら、お母さんがロウソクを見て、「減ってないじゃないの」。(笑い)
次の日は、ロウソクに火を付けておいて、遊ぶことにしました(笑い)。ところが、知らないうちに、ロウソクが最後まで燃えてしまいました。それを見たお母さんに、「こんなに勤行したの?」と、またウソを見抜かれたのです。
そこで次の日は、ロウソクが燃える時間を、弟に計らせながら燃やしたんです(笑い)。でも結局、お母さんにわかってしまい、とうとう″あきらめて″勤行するようになったそうです。
池田 お母さんの知恵には勝てないね。(笑い)
もちろん、勤行は、お母さんのためにするものでもないし、「しなくてはいけない」義務でもない。全部、自分のためです! 自分自身が「ものすごく得をする」のです!
「お題目を唱える自由」があるということは、人間にとって、自分にとって、あなたにとって、これ以上のすばらしい「権利」はないのです。お母さんは、それが、あなたよりもわかっているから、「やつたほうがいいよ」と言っているのです。
2 頭もよくなる 健康にもなる
池田 たとえば、「頭がよくなる薬」が売り出されたら、みんな、どうするだろう?
―― それは、もう、さっそく買いに行きます! 薬屋さんは、すごい行列になるでしょうね。
池田 お題目を唱えれば、頭もよくなる。体も健康になる。題目は、病気の人には「薬」となり、悩みの人には解決への「智慧」となり、「福運」となり、落ちこんでいる人には「元気のもと」となる。かぎりないエネルギーが出てくる。
しかも、高い薬とちがって「ただ」です(笑い)。「ただ」だから、かえって、みんな、ありがたさがわからないのかもしれない。(笑い)
―― たしかに、そんな「薬」を惜しげもなく、人に分け与えようなんて、常識では考えられないでしようから。
池田 しかも、みんなの場合、″行列″に並ばなくても(笑い)、小さいときから「宝」が目の前にある。身近にありすぎて、そのすごさがわからないのかもしれないね。
3 勤行・唱題で生命のエンジンが大きくなる
苦しんだ人ほど題目の力を知る
―― 恵まれすぎてて、わからないのかもしれません。
腰に「腫瘍」ができ、中学二年生の時に七時間もの大手術を受けたメンバーがいます。彼女は、お題目を唱え、池田先生の『青春対話』を読んで、「絶対に、あきらめない! 負けない! 必ず治す!」と決め、大変なリハビリをがんばってきたそうです。
今では元気になり、高校進学に向けて勉強しています。彼女の言葉です。
「自分の体験を通して言えることは、『負けないで題目を唱えぬいていけば、どんなことも、すべて乗り越えられる』ということです。病気をしていることが不幸なのではなく、『心が負けてしまうことが不幸』なのです。『何があっても負けない心』をもてることが幸福なんだと確信できました」
池田 よくがんばったね! 病気に苦しんだ人ほど、生命の尊さがわかる。悩み苦しんだ分だけ、信仰のすごさもわかる。自分自身の「生命」のすごさがわかる。これからも、どんなことがあっても、乗り越えていってもらいたい。
人によって、「大きなエンジン」をもつ人と、「小さなエンジン」をもつ人がいる。「大きなエンジン」をもっている人は、険しい坂でも、楽しみながら前進できる。「小さなエンジン」しかない人は、小さな坂でも、息が切れて苦しむ。勤行・唱題によって、自分の生命のエンジンが大きくなるのです。
―― どうして、そうなるのでしょうか?
池田 それは、大宇宙という「最高最大のエンジン」と、がつちり「ギア」が、かみ合うからです。