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日蓮大聖人・池田大作

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創価学園1 中学校・高等学校[昭和59年度]

教育指針 創価学園(1)(池田大作全集第56巻)

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1  創価中学・高等学校 第十七期生入学記念懇談会〈昭和59年4月8日〉
 勉学第一に未来の人材に
 わが学園にあっては、絶対に暴力があってはならない。暴力は野蛮であり、動物的行為です。知性、人格の人の行うことではない。いかなる理由があり、いかなる場合であっても、暴力をふるうようなことがあってはいけません。
 学園は、二十一世紀のリーダーを育成しゆく学舎です。そのために「勉学第一」が、学園の伝統です。多くの先輩たちも、この伝統のもと、学園魂をもって人生を歩んでいます。皆さんも、将来の輝く人材に大成しゆくために、「勉学第一」で進んでいただきたい。
 学園は男女共学となっています。どこまでも兄、弟、姉、妹という「家族」ともいうべき兄弟愛、姉妹愛をもって、理想の学園を築いてほしい。社会の風潮に流され、自分自身に負けて堕落しあゴ勉学第一に未来の人材にていくようなことがあってはいけません。
 きょう一日が「目的」です。きょうに全力をあげていく。そして、きょうは「目的」であると同時に、あすへの「手段」でもあります。あすへの向上のため、きょう一日に全力を尽くしていく、学びの日々であっていただきたい。
 勉学や生活の面で、さまざまな苦労があるかもしれない。しかし、恵まれた環境でのわがままな生活に成長はありません。労苦のなかで、自分と戦いながらの前進に、より強固な信念と英知が磨かれ、それが勝利の栄冠となっていくのです。中学、高校時代が、一生涯の幸福、社会での勝利を決定する基礎の時代であることを知ってほしい。
 この社会には、公立学校と私立学校とがあります。どちらがよいかと、さまざまに論議がなされてきました。私は、学校教育というものは、本来、私立学校が大事であると考えています。イギリスにおけるケンブリッジ大学やオックスフォード大学をはじめ、世界や日本の著名な学校の多くは、私立学校です。
 私立学校は、学園も含めて、公立学校に比べて、授業料が高い。したがって、お父さんやお母さんに、三年間、または六年間、苦労をかけるかもしれません。しかし、親というものは、子どもの成長がもっとも楽しみであるし、そのためには、どのような苦労でもしていこう、というのが偽らざる心情なのです。
 その意味で、日々の勉学に励み、将来は力をつけ、親の思いに応えていくんだ、との明るい気持ちで進んでいってほしい。また、未来大成のために、明るく、伸び伸びと学園生活を送っていただきたいのであります。
2  関西創価中学・高等学校 第十二回入学式(メッセージ)〈昭和59年4月10日〉
 「何のため」を忘れずに
 桜のつぼみもふくらむきょうの佳き日、晴れやかな関西創価中学・高等学校の入学式、本当におめでとうございます。
 きょうは、創価女子短期大学の起工式のため、残念ながら出席できませんが、三期生の皆さんの新しき門出にあたって、 二言、お祝いを申し上げます。
 中国に「志は学の師なり、才は学の徒なり」という言葉があります。「何のため」に学ぶのか。勉学においては、この志こそが肝要であり、才能は、そのために生かされるべきであるとの意味であります。
 皆さんには、新しき世紀を開きゆく使命がある。また、人類の平和に貢献すべき責任がある。その大志を胸に、勉強やクラブ活動に取り組んでいってください。これからの三年間、六年間には、いやなこと、つらいことがあるかもしれません。しかし、皆さんは王者の子です。どうか、歯をくいしばって頑張りぬいてください。
 わが愛する万葉の薫り豊かな学舎で、生涯の友情の絆を強く、深く、培いながら、清新の息吹満つ学園生活を乱舞されんことを願って、祝福のメッセージとさせていただきます。
3  創価中学・高等学校 第五回寮生・下宿生懇談会〈昭和59年4月30日〉
 幸の人生は心の強い人に
 どんな苦難があっても、それを乗り越えていける強い人は、心深き、無限の幸せをつかんでいける人です。表面的な苦しみに負けるような人は、永遠の幸せはつかめません。ゆえに、どんな苦難でも乗り越えられる自分自身を築く以外にないのです。
 表面のさざ波に対して、深海のごとき、深く、大きい、広々とした心の世界をもつ人は、何倍、何十倍と幸せを感じとっていけるのです。
 宇宙にも、人間にも、生活、仕事、勉学、スポーツにも、すべてに「リズム」というものがあります。そのリズムに反した場合には、精神的にも、肉体的にも、また社会的にもアンバランスになってしまう。規則正しいリズムをつくりあげた人が、かならず将来は勝利の栄冠を手にするものなのです。
 学校においても、とくに中学一年生は、このリズムに乗りはじめる時期であるといえます。厚い雲を突きぬければ、広野が見えてくるように、一学期が終わり、二学期になると大きく変わってくるものです。
 社会には多くの中学校、高校があるが、とくに寮生、下宿生時代は、友人との友愛や自分との戦いなど、学校では学ぶことのできない、もっとも大切な人生勉強ができるものです。かつての指導者たちの多くは、寮生活の経験者であるといってよい。皆さんも、寮生活のなかで、自分を鍛え大きく成長していっていただきたいと思うのであります。

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