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日蓮大聖人・池田大作

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創価学園1 中学校・高等学校[昭和45年度]

教育指針 創価学園(1)(池田大作全集第56巻)

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1  創価中学・高等学校寮生・下宿生との懇談会〈昭和45年12月20日〉
 諸君よ、将来のために頑張れ
 成績について
 第二学期の試験が終わり、成績のよかった人、悪かった人がいるでしょう。しかし、少しぐらいよいから、悪いからといって、社会に出てからその人が偉大になるかならないか、社会に貢献できるかできないかは、別問題です。今は将来の基礎をつくっているときです。基礎をつくるということは大切なことで、人生の上で価値的なことです。これを忘れてはいけません。
 先日、クーデンホーフ=カレルギー伯爵が創価学園で講演をされました。講演が終わった後に、会談をしましたが、そのとき伯爵が、「学園生はすばらしい生徒ばかりですね」とほめていました。私は学園生の成長の姿を見るのが、今一番うれしいのです。
2  寮生活の意味
 いつも私はいっておりますが、通学している人は、家に帰るとお母さんがいて、あたたかく迎えてくれます。これは考えようによっては、大変幸福そうに見えますが、長い人生から見た場合には本当の勉強とはなっていないことが多いのです。自分で洗濯したり、自分で縫い物をしたり、また、学校を休みたい日も頑張って行ったりということが、本当の勉強なのです。皆さんにとっては、一番遊びたい、わがままをいいたい時期に、寮生活、下宿生活をすることは耐えがたいことかもしれません。しかし、その苦しみを乗り越えた後には、この三年もしくは六年間の寮、下宿生活で経験したことが、一度に爆発するように大きな力になります。自己の誇るべき歴史であり、一生の宝になります。そして、だれよりもだれよりも、深い思い出をもった指導者となることができます。これだけは忘れないでください。
 私も二年間ぐらい、一人で下宿生活をしたことがあります。一番思い出になっているのは、その二年間です。今でもそれだけは忘れられません。蚊に悩まされたこと、水漏れに悩まされたことなど、その他いろいろ苦しい思い出があります。しかし、あとになればなるほど、だんだん境涯が開けてきます。ですから、今は大変つらいでしょうが、頑張ってください。長い人生の戦いの一コマです。その一コマをどのように生きるかです。最後には、苦労した人が勝つのです。
3  学ばずは卑し
 さらに申し上げておきたいことは、「学ばずは卑し」ということです。これは、ある人の一生の支えであり、モットーであった言葉です。その人は自分の師匠から「学ばないことは卑しいことだ」と教わったのです。社会で指導的な立場にある者として、また、時代の先端を行く人として、学ばないのは卑しいことだという意味です。また、真実の人間観を深く追求して生きる人の、一番正しい、一番偉大な言葉であると、私は心ひそかに思っています。
 今の時世はどんどん進みますから、時代の変化に遅れないように、私たちは少しずつでも学んでいくのです。諸君は「学ばずは卑し」ということを、知性ある人間として、次代を担う人間として忘れないでもらいたいと思います。
 長い人生では、さきほども申し上げたように、学校の成績の良し悪しで、人間の価値は決まりません。しかし、今は学生です。学ぶことは自分にとって、一番偉大な価値があり、また逆に、学ばないということはもっとも卑しいことであることを、忘れないでもらいたいと思います。
 今まで三年間、創価学園は建設期でした。あくまでも深い伝統をつくるために、建設へ、建設ヘと進んできました。しかし、来年の四月からは「飛翔」のときです。飛び立っていくのです。三年間は戒璧な建設、これからは飛翔です。ある意味では、今まで以上に大変なこともあるかもしれませんが、いろいろな意味で一歩前進、それからまた幅広い感覚で考えていくようにしたいと思います。

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