Nichiren・Ikeda
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昭和三十一年(九月)
「若き日の日記・下」(池田大作全集第37巻)
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1 九月五日(水) 晴
気温三十二度に昇る。残暑、厳し。
先生と種々懇談。
先生、弥々事業引退のお話あり。名実共に、学会、広布の会長指揮。
来月より、山口県、全面折伏の指示あり。小生、総司令‥‥。義経の如く、晋作の如く戦うか。歴史に残る法戦。
夜、一年半ぶりに、相模原・橋本に指導。正継寺へ。土地柄か、指導者の責任か、性格か、I宅に、集まれる人、七十名、信心の歓喜なし。
帰宅、十二時を過ぎる。全く疲れた。
愚痴は断じていうな。
2 九月七日(金) 薄曇
残暑、厳しきなり。
身体だるし。
タ六時三十分より、水道橋の労政事務所にて、教学部講義。『六巻抄』並びに「弥三郎殿御返事」。受講者七十名。遅れる者多し。叱る。
帰り、品川にて、夜食。
火星が、五千六百五十四万キロに近づきたるとの事。天文学は最も好きである。その天空を見、銀河系を思索する余裕なし。現実の葛藤の社会は。
もっと、自然を、思惟できる、高尚な、人生でありたい。
3 九月八日(土) 晴
すがすがしき朝であった。
先生より戴きしバッジ、置き忘れたとの事にて、妻を厳しく叱る。
十時、先生と共に大石寺へ参詣。
一時半、総本山着。暑い。
夕刻まで、先生と語る。今のうち、あらゆることを教えておかねば、と無言の中に、そのような先生のご様子あり。
質問会──二回にわたる。千数名登山との事。
堀米猊下の丑寅の勤行に、初めて出る。
清く、力強き生命を、ひしひしと感ずる。信仰の歓び。使命感ある者の崇高さを、深く感ずる。
H理事と二人して、そばを食し、午前二時の天空を仰ぎつつ、理境坊にもどる。
毎月の登山を、意義あらしめながら、必ず参加しよう。