Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十九年(七月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

前後
1  七月一日(木) 曇一時雨
 蒸し暑き一日であった。
 一時より、駿河台図書館に行く。五時まで世界三傑の人物論を読み耽る。
 自分に定根の無いのに驚く。真剣な学生の態度に微笑がわく。唯、点取り虫になり、身体を損なうことを憂うる。
 神田にて『日本経済史』を金二千同也を出して購入す。勉強せねばならぬ。
 六時、支部長宅にて幹事会。
 六月度の折伏数―――五百三世帯なりの報告。実によく頑張ったものだ。基礎は完全に出来上がった。
 十時近くまで、元気に、本尊流布と信心の厳しさにつき指導―――。
 皆に大功徳を受けさせるために、われ一人、勇猛心を起こし、全員を叱陀激励せり。
 皆、歓喜してついてきてくれる。感謝にたえず。
 今夜は、火星があやしく冴えて輝いていた。
 天体、宇宙の不可思議を、深々と思惟せずにはいられぬ。
 浮動、遠心力、引力、光年、大気、距離、円形、生物、生死‥‥実に不思議である。妙法により、この一生を通じて自得せねばならぬ―――。
 今夜ほど、死後の生命を考え抜いたことはない、否、考え苦しんだ夜はない。
 博正、妻の実家に泊まりに行く。
 妻と遅くまで静かに語る。
 妻は、願わくは、生涯、老いてもらいたくない。
 永遠の青春であれ―――。
2  七月二日(金) 曇
 久しぶりに、太陽輝く。
 明るい朝であった。しかれども、朝の西洋歴史の講義がなかなか頭にはいらなかった。
 惰眠があってはならぬ。浅学は人生の恥である。
 Mさんと、午後二時過ぎまで、会計のことその他、社の機構について談合する。
 その後、家庭の問題についても、種々話し合う。
 三時少々前、東京・S軒にて、S君と会う。
 S君の会社の人事機構の点、販売網の点等、私見を呈する。
 愚見に対し、ひじように喜んでくれる。
 成功を祈る―――。
 六時五十分―――文京支部幹部会、S宅。
 第十部隊歌を、創作してあげる。
 自分の決意を、この歌調に入れて託する。
  (一)五濁の嵐 逆巻きて
     怒濤に起ちし 若武者よ
     正義の利剣 ひっさげて
     祖国のために 進みゆけ
  (二)崑崙山を 目ざし行く
     白馬につづき 戦うは
     壮烈 義烈 尽忠の
     その名を誇る 親衛隊
 A君等は、真に戦い抜いてきた。功労ある支部の幹部、部隊幹部を、大事にしてあげよう。文京の友が、栄えることの歓び。―――文京の友の悲しみは、身を切られる思いなり。
 帰りに本部へ寄る。
 戸田先生は、まだ会長室におられる。
 偉大なる師の姿に、吾れ感涙す―――。
3  七月三日(土) 雨後曇
 暑い一日であった。
 熱気で、苦しい社内。身体が疲れてならぬ。
 半日ほど身体を休めたい思い。
 来月は、夏季講習会。
 八月一日より、三日まで、参加申し込みをする。
 毎年この講習会を節として、実力をつけるよう修行をしていかねば―――。わがままを捨てて。
 本部に三時着。
 本部の御本尊様の前にすわると、尊厳さと広大さとに、力が自然に湧きいづるをおぼえる。
 会長室で、先生に御挨拶申し上げる。
 慈愛の瞳を交わすたびに、不思議に安心感となる。先生の長寿を祈るのみ。
 夜、女房と子供を連れ、映画を観る。
 子供は、半分以上寝ている。女房は、本当に嬉しかった様子。―――また、連れて行ってあげたい。
 明日は、登山―――。

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