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日蓮大聖人・池田大作

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昭和二十四年(九月)  

「若き日の日記・上」(池田大作全集第36巻)

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1  九月二日(金) 台風
 キティ台風いたり、濁水の街、続出す。今日も、朝より豪雨、気が痛む。
 使命を自覚する人は、隣人以上に、自己を清浄にして、一日一日を送らねばならぬ。
 偽善者となることなかれ。柔弱な人格者となることなかれ。社会の人々より、尊敬せられるのも、表面上の、形式の賞嘆であってはならぬ。そんな、名誉を欲するのは、人間として、惨めな輩である。
 若人よ、真っ先に苦難に進め! 信念と正義の、偉大なる人生を、生きんがために。国のため、人類の幸福のために。
 いかなる圧力にも屈するな。希望と大志を胸に。
 正義の剣を持し、戦う者は、必ず、歴史が証明することだろう。大聖人の照覧なれば、断じて恐れてはならぬ。卑屈になってはならぬ。
 雄々しく進め。大胆に進め。若いのだ。若いのだ
 常に、伸びるのだ
 飛躍を忘れてはいけない
 今日も、自分自身を反省しよう。
 自己に、偽りありや。罪を、犯しておらぬか。真に慈悲を、痛感し得るや否や。
 さあれ、昨日までの人生は、最早、劇であり、過去であり、夢である。今だ、今からだ。未来が、檜舞台であり、償いの道場なのだ。
 「御義口伝」を拝読。
 御義口伝に云く妙法蓮華経を安楽に行ぜむ事末法に於て今日蓮等の類いの修行は妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可きなり。
2  九月四日(日) 曇
 今日の問題は、何か。今日の一日の使命を果たすことだ。今日の使命とは、何ぞ。自己の境遇にて戦うことなり。その戦いとは、如何。自己を発揮し、全力を尽くして進むことだ。
 明日の問題は、何か。明日とは、瞬間瞬間の連続であり、今日の延長か。いかに、今日が苦しくとも、明日を夢みるとき、希望は湧く。
 今日の日に、最上を尽くすとき、未来は、必ず光明に輝く。歓喜の仰向山は燃えたってくる。その刹那刹那の実感が、永遠に連続し、人間革命をなしてゆく以外にない。
 人生の最大の問題は何か。それは、死の事なり。死とは何か。人類の歴史、五千年。幾多の聖賢、世に出ず。然るに、真底より死を解決した人は、ありや。その死を、実証しきった衆生は、何処に。
 この死を、解決出来得る、唯一つの道こそ妙法なのだ。この問題を、解明し、解決し、実証せねばならない。
 この法なくんば、二十億の人類は、不幸の淵に、遊戯しているに等しい。
 人類を救出する原理は、妙法しかない。この根本の重要さを、切実に痛感する。
 弱き自己よ。進め。勇猛精進ではないか。此の一年、大聖人の弟子として、有意義に、奮い起て。

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