Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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所以者何。如来如実知見。‥‥  

講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)

前後
1  所以者何。如来如実知見。三界之相。無有生死。若退若出。亦無在世。及減度者。非実非虚。非如非異。不如三界。見於三界。如斯之事。如来明見。無有錯謬。
 所以は何ん、如来は如実に三界の相を知見するに、生死の若しは退、若しは出有ること無く、亦た在世及び滅度の者無く、実に非ず虚に非ず、如に非ず異に非ず、三界の三一界を見るが如くならず。斯の如きの事を、如来は明らかに見て、錯謬有ること無し。
2  〔通解〕──(如来が説いたことにはうそはなく、すべて真実であるといったが)その理由は何であろうか。如来は如実に三界の相を知見しているからである。生や死というが、この三界から退き去ることも、この三界に出現することもない。また世に在る者、減度した者という区別もない。
 この三界のありさまは、真実でもない。そうかといって虚妄でもない。このようであるということもない。またこのようではないということもない。如来は、三界を、三界の衆生が見るようには見ていない。このようなことを如来は明らかに見ていて、誤りがないのである。
3  〔講義〕仏法の眼目ともいうべき偉大な生命観が明かされています。人類の境涯を高める鍵が、この経文にあります。
 生と死──人間にとって、これほど身近なものでありながら、これほど深遠な謎もないでしょう。寿量品には、この謎に対する本源的で、しかも最も納得できる答えがある、と私は確信する。この経文は、その答えの一つです。
 日蓮大聖人は「先臨終の事を習うて後に他事を習うべし」と、生死の問題が仏法の最も重要な課題であることを明かされています。戸田先生も「仏法の解決すべき問題の最後は死の問題であります」(『戸田城聖全集』5)と、よく言われていた。生死の問題にどう応えるか。そこに、二十一世紀の宗教の重要な要件があると思う。

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