Nichiren・Ikeda
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爾時仏告。諸菩薩及。‥‥
講義「方便品・寿量品」(池田大作全集第35巻)
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1 妙法蓮華経如来寿量品第十六
爾時仏告。諸菩薩及。一切大衆。諸善男子。汝等当信解。如来誠諦之語。復告大衆。汝等当信解。如来誠諦之語。又復告諸大衆。汝等当信解。如来誠諦之語。是時菩薩大衆。弥勒為首。合掌白仏言。世尊。唯願説之。我等当信受仏語。如是三自己。復言。唯願説之。我等当信受仏語。爾時世尊。知諸菩薩。三請不止。而告之言。汝等諦聴。如来秘密。神通之力。
爾の時、仏は諸の菩薩、及び一切の大衆に告げたまわく、
「諸の善男子よ。汝等は当に如来の誠諦の語を信解すべし」と。
復た大衆に告げたまわく、
「汝等は当に如来の誠諦の語を信解すべし」と。
是の時、菩薩大衆は、弥鞠を首と為して、合掌して仏に白して言さく、
「世尊よ。唯だ願わくは之れを説きたまえ。我れ等は当に仏の語を信受したてまつるべし」と。
是の如く三たび白し己って、復た言さく、
「唯だ願わくは之れを説きたまえ。我れ等は当に仏の語を信受したてまつるべし」と。
爾の時、世尊は諸の菩薩の三たび請じて止まざることを知しめして、之れに告げて言わく、
「汝等よ。諦かに聴け。如来の秘密・神通の力を。
2 〔通解〕──その時、釈尊は、菩薩たちや一切の大衆に告げられた。
「善男子ょ。あなたたちは如来の真実の言葉を信解せよ」と。
再び、大衆に呼びかけられた。「あなたたちよ。如来の真実の言葉を信解せよ」
さらに、大衆に呼びかけられた。
「あなたたちよ。如来の真実の言葉を信解せよ」
この時、菩薩たちや大衆は、弥勒を先頭に合掌して、仏に申し上げた。
「世尊よ。どうか、お説きください。私たちは、仏の言葉を信受いたしますし」と。
三たび、このように言い終わって、また申し上げた。「どうか、お説きください。私たちは、仏の言葉を信受いたします」と。
その時、世尊は多くの菩薩たちが、三度懇請し、さらに懇請を止めないのを知って、菩薩たちにこのように語られた。
「あなたたちよ。明らかに聴け。如来の秘密、神通の力を。
3 〔講義〕いよいよ、仏の教えの根本である寿量品が始まります。
冒頭の一句に「爾の時」とあります
方便品も、この言葉から始まった。しかし、寿量品の「爾の時」は、さらに重大な意義がある。
すなわち、仏がいよいよ本門の真髄の法を説く「時」です。弥勒のような最高位の菩薩ですら克服しがたい根源の迷い──元品の無明を、すべての民衆が断ち切る「時」を迎えた。
しかも、寿量品の「爾の時」は、釈尊の滅後に向けられている。
弥勒が釈尊に説法を要請したのも、滅後の人々のためであった。
まさしく、滅後の人々を照らす一切の根源の法を、いよいよ明かす「時」を迎えた。それが「爾の時」です。ゆえに、冒頭から、峻厳な師弟不二のドラマが展開します。