Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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注解  

「生命と仏法を語る」(池田大作全集第11)

前後
1  あ行
 阿闍世王
 未生怨と訳す。釈尊在世から滅後にかけての中インド摩訶陀国の王。提婆達多と親交を結び、仏教の外護者であった父・頻婆沙羅王を監禁し獄死させて王位についた。釈尊や弟子たちを、悪象に酒を飲ませ、けしかけて殺そうとしたが失敗した。しかし、その後、阿闍世王は父を殺した罪に悩み、釈尊のもとに帰伏して釈尊の教団の大檀那(施主)となり、王子も夫人もみな仏弟子となった。
 以信代慧
 「信を以って慧に代う」と読む。一往、仏法では智慧によって仏道を成ずるとするが、智慧の因は信であり、信を貫いてこそ仏智を涌現し成仏することができるとの意。
 以信得入
 「信を以って入ることを得」と読む。法華経譬喩品第三にある文。一切衆生は信をもってはじめて成仏することができると説いたもの。
 一念三千
 一念とは、瞬間の生命をいい、三千とは現象世界のすべてをいう。一念三千とは、一瞬の生命に十界を具し、十界が互いに具わり合って百界となり、百界は実相の十種の面(十如是)を具して千如となり、これが三種の世間を具して三千世間となる。一瞬の生命に現象世界のすべてが欠けることなくおさまっているということ。
 遺伝子
 生物個々の遺伝形質を規定するもとになるもの。染色体中に一定の順序で配列され、生殖細胞を通じて親から子に遺伝情報をつたえる。その実体は遺伝子を構成するDNAの分子で、このDNAの塩基配列の順序が遺伝情報となり、細胞内で合成されるたん白質やリボ核酸の一次構造を指令する。
 遺伝子工学
 遺伝子を組み換えたり細胞融合等の方法で、有用生体物質を生産したり、種を人工的に改変させるなどを目的とする技術。病気の治療など幅広い応用範囲を含む。
 インターフェロン
 ウイルスの感染を受けた動物細胞が産生する、ウイルス感染の阻止作用をもつたん白質のこと。つまり、細胞の一つのウイルスが感染すると、その細胞は他のウイルスの感染や増殖を阻害する。その阻害作用を仲立ちする因子のことで、ウイルス抑制因子という。ウイルス感染によって起こると思われる肝炎やがんの予防ならびに治療にこの特質を利用しようという考え方がある。
 依正不二
 依報と正報が二にして不二であること。正報とは生命活動をいとなむ主体をいい、その身がよりどころとする環境・国土を依報という。この二つは、ともに自己の過去の業(行為)によって招いたものであるから同じく報という。両者の関係は而二不二(二にして二ならず)であり、相関性を成しているので依正不二という。つまり、主体である自己と生活環境である自然とは観念のうえでは区別できるが、実際には区別できないものであり、互いに関連性をもっているということ。
 SDI
 Strategic Defense Initiativeの略。戦略防衛構想のこと。ICBM(大陸間弾道ミサイル)やSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)が弾道飛行している途中で、人工衛星を用いて迎撃し破壊すること。一九八三年、アメリカのレーガン大統領の演説で提唱された。スターウォーズ計画とも呼ばれている。
 演繹
 あらかじめ知られている普遍的真理から特殊的真理を発見する方法。論理学的な学問である数学や論理学、哲学などでこの方法が用いられる。帰納に対する語。
2  か行
 ガリレオ力学
 ルネサンス末期のイタリアの天文学者・物理学者・哲学者ガリレオの提唱した力学のこと。彼の力学の中心問題は、アリストテレス流の運動の原因の探究ではなく、慣性の法則、真空中の弾道などのような運動の数学的記述にあり、分析と合成との経験的・実証的方法を用いる近代科学の方法論の端緒を開いた。彼は力学上の諸法則の発見、望遠鏡の発明による天体の研究など、功績が多い。近代科学の父といわれる。
 観心
 教相に対する語。己心を観ずることで、心を対境として思索し明らかに見ていくこと。教相が仏の教説の理論的究明をさすのに対し、観心とは教相の肝要、奥底を己心に観じていく実践修行をいう。
 帰納
 いくつかの具体的事例から、一般的な命題、法則を推理し、または導き出すこと。演繹に対する語。
 記別
 仏が弟子の未来の成仏を明らかにすること。仏が弟子にこれを授けることを授記という。
 経釈】経と釈。経とは仏の所説の書、釈とはその経文を人師が解釈したもの。
 鳩摩羅什
 「羅什三蔵」の項参照。
 外用
 外にあらわれる働きのこと。内証に対する語。仏、菩薩が迷える人々を救うために、いろいろと姿をかえて出現する外面の姿をいう。
 玄奘
 (602~664) 中国唐代初期の僧、法相宗の開祖。西域、インドの大旅行家、多くの経典の翻訳家として有名。著書に『大唐西域記』(十二巻)がある。この書物に基づいて後世、『西遊記』が作られた。
 現世安穏・後生善処
 「現世安穏にして後に善処に生ず」と読む。法華経薬草喩品第五の文。妙法を聞いて信ずる人は現世では安穏な生活をし、来世には善処に生まれ妙法を受持することができるということ。
 
 現在や未来にもたらされる結果を決める原因となる過去における自分のすべての所作。業因ともいう。仏法では、善悪の業は因果の道理によって後にかならずその結果を生むと説く。善悪に分けて善業と悪業がある。
 五濁悪世
 生命の濁りの諸相が盛んな悪い世の中のこと。五濁とは、劫濁・衆生濁・煩悩濁・見濁・命濁のこと。正像末の三時のなかで末法の時代をいう。
3  さ行
 サリドマイド
 一九五六年にコンテルガンの商品名で市販された催眠薬。ヘミー・グリュネンタール社(西ドイツ)で開発された。日本では、イソミンの名で販売された。この薬は妊娠初期の人が服用するとアザラシ肢症などの奇形児を生ずることが判明し、現在は市販を停止されている。世界的に問題になった。
 三毒
 (貪瞋癡)善根を毒する三つの煩悩で、三根ともいう。①貪とは貪欲・貪愛のようにむさぼり愛すること。②瞋とは瞋恚・いかりのこと。③癡とは愚癡・無知・おろかなこと。
 示同凡夫
 「じどうぼんぷ」とも読む。仏が凡夫(凡人、普通の人)と同じ姿を示すこと。
 慈悲
 一切衆生を慈しみ憐むこと。「大慈は一切衆生に楽を与え(与楽)、大悲は一切衆生の苦を抜く(抜苦)」(『大智度論』)とあるごとく、慈悲とは抜苦与楽を意味する。
 迹門
 法華経二十八品のうち、前半の序品第一から安楽行品第十四までのこと。本門に対する語で、迹門は池水に映る月影に、本門は天の月そのものに譬えられる。(本門の項参照)
 娑婆即寂光
 人間の住む娑婆世界がそのまま寂光土であること。娑婆とは凡夫の住む世界、寂光とは寂光土、すなわち仏国土のこと。心が清らかになれば、住む世界も清らかになり、正報(主体)としての衆生の開悟によって依報(環境世界)の娑婆世界が即寂光土と変革されることをいう。
 舎利弗
 釈尊十大弟子の一人。仏説の真意をよく理解したので智慧第一といわれた。梵語シャーリプトラの音写で、舎利弗多、舎利子とも書き、訳して身子ともいう。
 受持即観心
 日蓮大聖人の仏法における修行の究極を述べた語。すなわち御本尊を受持することそれ自体が成仏(観心)の極理であることをいう。
 寿量品
 法華経巻六如来寿量品第十六の略。釈尊の本地久遠実成をあかした重要な品。その文底には、日蓮大聖人こそ末法の御本仏であり、南無妙法蓮華経のみが一切衆生を救済できる唯一の法であることが説かれている。
 成住壊空
 成劫・住劫・壊劫・空劫の四劫のこと。宇宙、生命その他いっさいのものの生滅流転をあらわす。成劫は成立、形成する期間、住劫は安定期間、壊劫は壊滅していく期間、空劫は壊滅が終わり消滅して空となる期間をいう。そしてまた成・住・壊・空を繰りかえすのである。
 小頭症
 頭蓋が先天的に異常に小さい症状。脳の発育が悪く、一般には精神の発育の遅れや脳性麻痺を伴う。またけいれん発作を伴うことが多い。
 正法
 三時(正法・像法・末法)の一つ。釈尊の教えが正しく行われる時期のこと。一応、正法の年限は釈尊滅後千年間といわれているが、種々の異説がある。
 声聞
 声を聞く者の意で、十界のうちの二乗(声聞・縁覚)の一つ。すなわち仏の声教を聞いて解悟する出家の弟子のこと。元来、仏弟子を意味したが、自利のみを求める小乗の修行者との意もふくむ。
 常楽我浄
 仏の境地にそなわる四つの徳のこと。常徳は仏の境地が永遠に不変不改であることをあらわし、楽徳とは無上の安楽を意味し、我徳とは生命が自由自在で他からの束縛を受けないことであり、浄徳は煩悩のけがれなき清浄な状態をいう。また衆生も本来仏性をそなえているので、一切衆生の生命にそなわっている本来の徳ともいえる。
 生老病死
 人の一生における避けることのできない根本的な四種の苦しみのこと。①生苦(生まれ出る苦しみ)②老苦(年老いていく苦しみ)③病苦(病気による苦しみ)④死苦(死ぬときにおこる種々の苦しみ)。
 白子
 「しらこ」とも読む。アルビノともいう。動植物で先天的にメラニン色素や葉緑素などの色素を欠いて、多くは白色となった個体のこと。
 人生地理学
 地理学書(一巻)。創価学会初代会長牧口常三郎著。明治三十六年(一九〇三年)十月十二日発行。日本の地理学研究の方向に画期的な変化をあたえたといわれる労作。本書の特徴は、人間生活と地理との関係を観察して、そこに因果の法則を見いだそうとした点にある。
 深層心理学
 十九世紀の終わりころから、フロイト、アードラー、ユングらによって提唱された心理学。人間は意識しうる心的過程だけではなくて広大な無意識の部分をもつことを唱え、この無意識を研究する心理学のこと。
 水頭症
 生後数カ月たつころから、頭の中に多量の水(脳脊髄液)がたまり頭が大きくなる病気。症状としては、精神発達遅滞、運動障害、けいれん発作等がおこる。
 生命操作
 現代医学の発達がもたらした生命の誕生の分野における人工的操作のこと。たとえば、人工受精、精子銀行など。これらは、一方では子供をもうけることのできない夫婦にとっては朗報といえるが、もう一方では、生命倫理の立場から問題をなげかけている。
 染色体
 動物や植物の細胞の核内に存在し、生物の遺伝を支配している棒状の構造物。細胞の静止期には見ることができないが、細胞核が分裂するときにあらわれる。塩基性色素に染まりやすいため、この名がつけられた。染色体上に遺伝子の本体であるDNAが存在することがわかり、遺伝情報の担い手であるとされる。
 創価教育学体系
 教育者でもある牧口常三郎創価学会初代会長が提唱した実践的教育学説の集大成。昭和五年(一九三〇年)冨山房から出版。
 像法
 三時(正法・像法・末法)の第二にあたる。年限は釈尊滅後一千年から二千年間の千年間をさす。教(教え)、行(修行)の二法はあるが、証(果)の得られなくなった時期をいう。
 素粒子論
 素粒子の性質や構造、素粒子間の相互作用などについて研究する学問とその理論をいう。日本の研究者ではノーベル賞を受賞した湯川秀樹、朝永振一郎博士(二人とも故人)が有名。

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