Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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時間的連続性の保護
「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)
前後
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時間的連続性の保護
ユイグ
しょせん、一時的なものでしかなく、各世代ごとに再検討をされて然るべき二次的な種々の思想とは別に、過去は、時を経るほどますます豊かになる長い人間の経験の果実を私たちに伝えてくれており、それを家庭や集団が保持していたのです。たしかな本能とは対照的に、理性の機械で急いで磨かれた抽象理念は重みに欠けます。現実的功利主義によって催眠にかけられた現代は、なんとその意識を失っていることでしょう。
そして、都市への人口集中によってもたらされた害を考えてみるとき、生気と調和の伝統的感覚が何代にもわたって染みこんできた建築遺産が、カネもうけと機能性だけを追った建築物によって、だんだんに、しかもとどまることなく排除されていることに、どうして気づかないでいられましょう。またそれを、どうして悲しまないでいられるでしょうか。
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池田
今いわれたことは日本においてとくに甚だしく、各都市のもっている歴史が極度に軽視される傾向があり、歴史的な建築物が、機能的でないとか、古びてしまったとか、非経済的である等の理由で、かんたんに壊されていく例がたくさんあります。その点、パリやローマなど、ヨーロッパの都市では、歴史的な建物が、今も都市生活の中で生きています。
歴史的な建物は、その都市に精神的な深みを与え、そこに生きる人びとに安定感を与えるなど、重要な機能をもっていると私は考えています。
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ユイグ
その原因はこういうことです。すなわち、人間は空間的に定められた一つの場にあるとともに、時間的にも一つの瞬間の中におかれて、そこで彼の人生が一つの行程を実現するのです。そのことは、一個人についても、その無限に巨大な規模の人類の総体的な生についても同様に真理です。空間の中に身を落ち着けるのと同じように、この持続性という第二の広がりが、人間にとってそこに身をおく場であることは明らかです。
しかし、持続的時間が存在するのは、それが、過ぎ去ったなにかからきて、あるであろうなにかへと向かうからにほかなりません。そして、現在とは、これら二つのあいだの仲介者なのです。
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