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日蓮大聖人・池田大作

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人間主義の最高峰を仰ぎて――現代に生き… トリブバン大学記念講演

1996.11.2 「平和提言」「記念講演」(池田大作全集第2巻)

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1  ナマスカール(尊敬する皆さま、こんにちは)。尊敬するジョシ総長代行並びに副総長はじめ諸先生方。また、ご来賓の先生方。そして卒業生の皆さま。更に、すべてのご臨席の皆さま。本日は、釈尊生誕の地であり、憧れのネパール・トリブバン大学の卒業式で講演の機会を与えてくださり、私は大いに喜び、名誉に思っております。
 心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 アジアを代表する最高峰の貴学府より、かくも晴ればれと学位記を授与されました皆さまに、私は最大に祝福を申し上げます。
 授記に際して、まことに厳粛な宣誓がなされる光景に、私は心から感動いたしました。
 この気高き誓願を抱く、二十一世紀の若きリーダーの前途に思いをはせるとき、私の胸は希望に高鳴るのであります。
 本日は「人間主義の最高峰を仰ぎて――現代に生きる釈尊」と題して、皆さまとともに、この偉大なる″人類の教師″が残した精神的遺産を、「智慧の大光」「慈悲の大海」という二つの角度から、考察してみたいと思います。
2  荒れ狂う怒濤のなか、″海図なき航海″を余儀なくされている現代人の姿を目にするとき、私は、貴国の偉大な詩人バーラクリシュナ・サマの詩の一節を思い起こすのであります。
  無知の少年がするような言い争いは避けよう
  不和を解消し 繁栄を享受し
  盲信を棄て去ろう
  人間主義を信奉し 自他ともに生き抜くのだ
  真理の探究と 善行の決心を
  競い合おうではないか
  おお世界よ
  私が息を引き取る前に
  核兵器の脅威を取り除いておくれ
  永遠の平和の歌声で
  戦争の二字を消しておくれ (「さらば、おお世界よ、さらば!」)
3  戦乱の世紀にあって、砂漠で水を欲するように、痛切なまでの平和への希求であります。それは、ネパールの人々の美しき心情そのものでもありましょう。
 そして、その水源のありかを探し求めようとするとき、巨大な姿を現してくるのが、人々に平和と安穏をもたらそうと肝胆を砕き続けた、かの釈尊の「人間主義の最高峰」ともいうべき「智慧」と「慈悲」ではないかと思うのであります。

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