Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

人間――大いなるコスモス モスクワ大学記念講演

1994.5.17 「平和提言」「記念講演」(池田大作全集第2巻)

前後
1  尊敬する諸先生方、並びに親愛なる学生の皆さま。きょうは、十九年前と同じ、この懐かしい文化宮殿におきまして、再び、講演の機会をいただきました。私の最大の栄誉と思っております。サドーヴニティ総長をはじめ、関係者の方々に、心から御礼申し上げます。こうして、若き学生の皆さまと語り合うことができ、私は、何よりも、うれしく思っております。
 本年一月、モスクワ市民と、アメリカのクリントン大統領との対話の折、貴大学の学生がさわやかに発言する姿が、日本でも放映されました。
 外国語学部の女子学生は、流暢な英語で、「我が国には、大いなる精神の力が秘められております。近い将来、あらゆる意味で、世界の文化的な中心になっていくと信じています」と語っておりました。青春の真摯な情熱が光る、まことにすがすがしい光景でありました。
2  貴大学の偉大なる創立者ロモノーソフは、逝去の直前に、高らかに謳い上げております。
  麗しき広大なる わが大地に
  悲運が襲う その時代にこそ
  私の歩み残した この道に続きゆく
  英知の青年を 息子たちを ロシアは生むだろう (斎藤えく子訳)
3  建学以来、二百四十星霜――。貴大学は、この創立者の魂の叫びに、厳然と応えておられます。なんと崇高なる、教育のロマンでありましょうか。
 「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」とは仏典に説かれた一節であります。皆さま方、青年こそ、貴国、そして世界の「無限の希望」であることを、私は、深く強く、確信してやみません。
 さて、思えば一九七四年、貴大学から招聘いただき、初めて貴国への旅につこうとしたとき、私は、日本の多くの人から、詰問されました。「仏法者のあなたが、宗教敵視のイデオロギーの国へ、なぜ行くのか」と。この声に、私は一言、「我々と同じ人間がいるから行くのです」と答えました。
 以来二十年の歳月が流れ、ポスト・イデオロギーの社会にあって、いやまして、スポット・ライトを浴びているのは、「人間」及び「人間の生き方」ではないでしょうか。

1
1