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日蓮大聖人・池田大作

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第10回「SGIの日」記念提言 世界へ世紀へ平和の波を

1985.1.26 「平和提言」「記念講演」「論文」(池田大作全集第1巻)

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1  創価学会インタナショナル(SGI)発足十周年を記念して、最近の私の所感の一端を述べさせていただきます。
 今を去る十年前、一九七五年一月二十六日は、仏法広宣流布の歴史にとって永遠に記憶されるべき日であります。この日、私どもは日蓮正宗総本山第六十六世御法主日達上人貌下の御臨席を賜り、グアムの世界平和会議で、創価学会インタナショナルとしての新たな出発をしました。五十一カ国の代表百五十余人が集ったこの会議は、各国の名もない民衆の代表の集まりではありましたが、そのメンバーの労苦をいとわぬ活躍で、今日の隆々たる発展の姿を築くことができたのであります。
 昨年九月、世界五十五カ国二地域の代表が集い、関西の阪神甲子園球場で歴史的な第四回世界平和文化祭を行うことができました。まさにSGIの新時代を画する盛大な平和と文化の祭典であり、SGI十年の見事な締めくくりができたと確信しております。
 SGI発足以来十年、私は世界の同志の真心の応援を得つつ、全力で世界を駆け巡ってまいりました。
 この十年だけをみても、多くの世界の指導的立場にある方々と対話を交わしてまいりましたが、とりわけ創価大学の創立者として米国のコロンビア大学、シカゴ大学、ハワイ大学、ソ連のモスクワ大学、中国の北京大学、武漢大学、復旦大学、香港中文大学、フランスのパリ大学ソルボンヌ校、ブルガリアのソフィア大学、ルーマニアのブカレスト大学、スペインのマドリード・コンプルテンセ大学、インドのデリー大学、ジャワハルラル・ネルー大学、ラビンドラ・バラティ大学、ブラジルのブラジリア総合大学、メキシコのメキシコ自治大学、グアダラハラ大学、ベルーのサンマルコス大学、パナマのパナマ大学を訪問することができたことを、大きな喜びとするものであります。なぜなら、教育文化を核にした人間と人間との交流こそ一切の平和の基盤であると確信するからであります。
 また、世界の各地の大学より名誉博士、名誉教授の称号を授与されましたが、これは私一人の名誉というより、SGIの教育、文化、平和の路線が高く評価されたものと考えております。
 この十年、世界各地のメンバーの自らの使命に徹した多大の尽力に、衷心より敬意を表するものであります。とともに、次の十年を目指し、世界に確固たる平和勢力としての根を張る戦いを展開してまいりたい。
 更には二〇〇一年の″1・26″を目標に、仏法広宣流布の歴史に刻まれゆく活躍を期待するものであります。
2  民衆の力を幾重にも結集
 SGI発足十周年を迎えた機会に、ここでSGIの基本路線を改めて確認しておきたいと思う。
 第一に、創価学会インタナショナルのメンバーは、自国の文化、風俗や法律を尊重しつつ、良き市民としてそれぞれの社会の繁栄に貢献することを目指す。
 第二に、創価学会インタナショナルのメンバーは、生命の尊厳を根本的に説き明かした日蓮大聖人の仏法に基づき、恒久平和実現と人間文化・教育の興隆を目指す。
 第三に、創価学会インタナショナルのメンバーは、戦争をはじめとするあらゆる暴力を否定し、人類の幸福と世界の繁栄に尽くしゆくことを目指す。そのために核兵器廃絶と世界不戦の実現を大きな目標とし、国連憲章の精神を支持し、世界平和維持の努力に協力する路線を進む。
3  世界不戦の時代を築くためには、民衆の力を結集する以外に方途はないと思います。一九八二年以来、創価学会が青年部を主体に国連並びに広島、長崎両市と協力しつつ、国際的に「核兵器―現代世界の脅威」展を開催してきたのも、核戦争に反対し、核廃絶を願う世界の民衆の意思を結集する一助にしたいと願っているからであります。特に一昨年来、ヨーロッパ各都市で脅威展を開いてきたのは、ヨーロッパの緊張緩和が世界平和全体にとって緊急事だという認識に立ってのものであります。
 一昨年はスイスのジュネーブ、オーストリアのウィーン、フランスのパリ、昨年はスウェーデンのストックホルム、フィンランドのヘルシンキ、ノルウェーのオスロとベルゲン、更に本年は西ベルリンと開催を重ね、各地で多大の反響を呼んでまいりました。私もこの展示の意義を重視し、できる限り支援してきたつもりです。展示と並んで、各国で軍縮セミナーを開催するなど、平和と軍縮を目指す各分野の方々と交流を進めるよう創価学会代表団に要望しているのも、多くの人々の英知を結集したいと願ってのものにほかなりません。それは、例えば昨年、パルメ委員会の主宰者として知られるスウェーデンのオロフ・パルメ首相と学会代表団との交流というような形で実を結んでおります。

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