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日蓮大聖人・池田大作

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創価学会の組織とは 受け継げ学会の「心」を! 友の幸福を祈る「心」を!

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

前後
1  ―― 創価学会の組織について、ある人は言います。「組織って何のためにあるんだろう。一人一人が頑張ったのでは、だめですか」と。また「団体行動は苦手なので、組織と聞くと気が重くなる」という人もいます。
 その一方、多くのメンバーは「学会の組織って本当に温かくて大好きです」と言っています。5・5「創価学会後継者の日」のスピーチで、池田先生が「戸田の命よりも大切な広宣流布の組織」という戸田先生の言葉を紹介されました(一九九七年)。みんな感動し、あらためて創価学会を大切にしていこうと決意していました。
 しかしながら、ほとんどの高等部員が「気がついた時に学会員になっていた」というメンバーです。組織についての考え方も、自分の体験や環境によって、さまざまです。
2  この世のすべては何らかの組織
 池田 「組織」と聞くと、何か特別なもののように思うかもしれない。しかし、この世に存在するものは、すべて何らかの組織なんです。
 人間の体も、組織体です。細胞は約六十兆個ともいわれる。それらが集まって体をつくっている。立派な「組織」です。しかも、無秩序に集まっているわけではない。筋肉となる細胞、神経となる細胞、血液となる細胞など、全部が大事な役割をもち、協力し合って、ひとつの体として動いている。
 ―― 団結の姿ですね。
 池田 体が団結していなかったら大変だ。脳が「右」へ行こうとしているのに、足が「左」に行っては、車にぶつかってしまう。
 「前進する」ためには、きちっと団結した組織が必要です。人間だけではない。生命それ自体が、組織であると言える。プランクトンから鯨まで、あらゆる生物は組織体です。分子そのものも原子が組織されてできたものだ。さらには、地球全体が、あらゆる動物、植物、鉱物、その他が調和している巨大な組織ともいえるかもしれない。
 ―― そう見ると、宇宙も組織ですね。
3  私達の「宇宙での住所」は
 池田 宇宙も、組織です。「地球」は、「太陽系」という組織の一部だ。太陽系は「銀河系」という巨大な渦巻きの一部です。銀河系には、太陽のように自分で光る星(恒星)が二千億個ほど集まっているという。
 この銀河がいくつも集まって「銀河群」や「超銀河団」をつくり、さらに銀河群や超銀河団の集まったのが「宇宙」なのです。だから、たとえば、宇宙人に手紙を書くとしたら、差出人である私たちの住所は、「大宇宙、おとめ座超銀河団、局所銀河群、天の川銀河、オリオン腕、太陽系、地球、日本国……」となるそうだ。(野本陽代、R・ウィリアムズ『ハッブル望遠鏡が見た宇宙』岩波新書)
 人間社会も同じです。どんな社会にも組織がある。国も、市町村も、会社も、学校も、組織の形をとっている。それは、ものごとを、より効果的に進めるために、連携を密にする必要があるからです。
 スポーツでもそうだ。サッカーのチームも組織です。個人プレーに見えるテニスや柔道、剣道にしても、うまくなり、勝つために、クラブなどの組織がある。トレーナーや、健康管理のスタッフとのチームワークも必要でしょう。全部、組織です。
 家庭で、お父さん・お母さんを中心に、良い家庭をつくろうというのも、無言のうちの組織。隣近所と仲良くしよう、友人と仲良くしていこうと、潤滑油のように、コミュニケーションを図っていくのも、現代的にいうならば、目に見えない組織形態といえるでしょう。社会、学校、家庭、そして自分というふうに、すべて関連している。だれもが、それぞれの組織の一員です。
 要するに、現代社会で、組織に入ってない人はいない。そのような人は、山の中に暮らす仙人のようなものです。いわんや、一つの大きな目標に向かって行動し、成長していくためには、それなりの組織が必要になってくるのは当然です。
 創価学会は、「広宣流布」という大目標、すなわち仏法によって全人類を幸福にし、世界平和を築くという、崇高な大目的に向かって進む団体です。その目標は、一人が頑張って達成できるものではない。社会のあらゆる立場で活躍する一人一人が団結し、組織をつくって初めて実現できるのです。
 日蓮大聖人には六老僧が、釈尊には十大弟子がいた。これも組織です。組織をつくって、皆を成長させ、守りながら、仏法を弘める戦いをされたのです。
 ―― 組織には目的があるということですね。

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