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日蓮大聖人・池田大作

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青春の戦い、青春の建設 今は「建設」の時!一生の土台を作れ

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

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1  ―― 「青春対話」に全国から大変な反響がありました。高校生の皆さんはもちろん、父母の皆さんや二十一世紀使命会の方々からも喜びの声が届いています。
 池田 うれしいことです。私は、まだまだ語りたい。高校生の諸君にこそ、私の遺言として語っておきたい。本当のことを、はっきりと言い残しておきます。
 諸君の中から、私の本当の後継者が出てもらいたいのです。苦しんでいる人々のため、人類を幸福にするために命をかけて戦う人を、私は育てたい。
 これまで、せっかく政治家に育てても、悪人になった人間もいる。せっかく弁護士に育てても、学会を破壊する人間もいる。皆、自分の醜い欲望のために、信心を利用して、名声を手に入れ、地位を手に入れて、裏切ってきた。大恩ある学会を裏切り、私を裏切り、民衆を裏切り、自分自身を裏切って、堕ちていった。学会が、あまりにも純粋であり、偉大であるから、それを利用して、学会を乗っとろうとした。
 そういう人間は釈尊の時代にもいた。日蓮大聖人の時も同じだった。また、大なり小なり、どこの世界でも同じでしょう。戸田先生は「退転の徒のしかばねを踏み越えて」進めと言われた。皆さんも、悪い先輩や、信用できない人に、めぐり会うかもしれない。
 厳然と戒めなさい。彼ら以上の力をもちなさい。そして諸君こそ民衆を絶対に裏切らず、不幸な人々の絶対の味方として、生き抜いてほしいのです。そのためにも、今、自分を鍛えることだ。将来、思う存分に活躍できる土台を今、築くのです。
2  みな、原点は10代
 池田 何事にも「時」がある。青春時代は建設期です。一生の軌道を大きく決める時です。だから大事なのです。
 今、あらゆるところで活躍している諸君の先輩たちの多くも、その原点は十代です。その例は何万、何十万とあるが、その一人に、メキシコの公認会計士になった方がいる。最近、手紙をいただいた。ご本人の了解を得たので紹介したい。
 「私は、先生がお作り下さった、高等部の第一期生でございます。大学卒業と同時に渡墨(=墨はメキシコのこと)し、今年で満二十五年になります。日本を出発する際には、両親と共に直接、先生より激励を賜りました。その時に次の三指針をいただきました。
 ―― 根性の人になりなさい。 ――努力の人になりなさい。 ――根無し草になってはいけない。この三指針は、私にとって生涯の、永遠の指針でございます」
 彼は神奈川の出身です。私が部旗を授与した、最初の高等部の部長の一人です。高等部時代に「将来、必ず世界に雄飛を」と決意した。大学ではスペイン語を徹底的に学んだ。来日したメキシコのSGI(創価学会インタナショナル)メンバーの通訳をしたことがきっかけになり、一九七一年、メキシコに留学をしたのです。
 実際、行ってみると、今まで習ったスペイン語が通じない。トラックへの荷物の積みおろしの仕事をしながら、夕方六時から現地の小学校に通い、スペイン語を学び直したそうです。七四年にメキシコ国立自治大学に入学。働きながらの勉学です。あまりのつらさに、一時は大学をやめようかと思った。しかし、「根性の人に」「努力の人に」と自分に言い聞かせて頑張り抜いた。そして、いくつもの山を越えて、日本人でただ一人、メキシコの公認会計士になったのです。
 現在、世界的な会計事務所に勤めながら、日本とメキシコの友好の橋渡し役として、活躍しています。大統領主催の交流の集いにも招待されたという。
 本当にうれしいことです。彼の原点も高校時代です。やはり高校時代の決意が大事なのです。
3  「現実とのギャップが大きすぎて…」
 ―― 「夢は大きいんだが、現実とのギャップが大きすぎて……」という人も多いかと思うんですが。
 池田 それでいいんです。戸田先生が言われていた。「青年は、望みが大きすぎるくらいで、ちょうどいいのだ。この人生で実現できるのは、自分の考えの何分の一かだ。初めから望みが小さいようでは、何もできないで終わる」
 もちろん、何にも努力しなかったら、夢は夢で終わってしまう。夢と現実を結ぶ橋は「努力」です。努力する人は希望がわいてくる。希望とは、努力から生まれるのです。夢を大きくもって、走れるところまで走るのです。それが青春です。

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