Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

青春の悩み、青春の希望 目の前の山に登れ! あせらず、自分らしく

「青春対話」(池田大作全集第64巻)

前後
 
1  ―― 「青春対話」、本当にありがとうございます。高等部員にとって、一生の宝になると思います。
 人生の長い経験をお持ちの池田先生から思うぞんぶん、私たちにかたっていただきたいと思います。
 池田 こちらこそ、よろしく。私も全力をあげます。本当のことを若い世代に語っておきたい。語り残しておきたい。それはなぜか。もはや私の願いは、二十一世紀の本当の指導者を育てる以外にないからです。世界のため、人類のため、広宣流布のため、平和のためには、真実の人間指導者をつくる以外に道はないし、それを全世界が待望しているんです。また、これが私の最大の喜びです。
 かつて戸田先生(戸田城聖創価学会第二代会長)が言われていた。「道を求めている純粋な青年たちに会うのがいちばん楽しい」と。私も同じです。二十一世紀、人類の最も大事な世紀に活躍する君たちに、私は最大に期待したい。勝利を祈りたい。君たちの成長と活躍が、すなわち広宣流布であり世界平和であるからです。
 ともあれ私は、高校生を決して子ども扱いしたくない。一個の立派な大人として、人格として尊敬しています。紳士とも思い、淑女とも思っています。
 だから、ありのままに、率直に語っていきます。今すぐに全部わからなくてもいい。納得できること、できないこと、両方あるかもしれない。それはそれでいい。自分のために、″何か″をくみとってくれればいい。
2  「あいつは、どこか違うな」と
 池田 ただ私は愛する諸君に、ともかく「悔いなき青春」を送ってもらいたい。大切な、一生の土台である十代に、悔いを残してはいけない。
 自分なりに、自分らしく、何でもいいから、自分はこれだけはやった、という満足感をもってもらいたい。掃除でもクラブでも、ボランティアでも、何かやった、何か頑張った。そこで「あいつは、どこか違うな」「あいつは偉いな」と言われる存在になってもらいたい。
 ―― はい。今の高校生の気質ですが、多くの人が「何かやりたい」と思いながら、何をやっていいのかわからない。あるいは、何もやりたいことがない。やりたいことがあっても、やる勇気がない。それで、そんな自分に腹をたてながら、何か悶々としている。そういう人が多いのではないかと思います。
 ある高校生から「今の学校では、勉強ができないと人間扱いされないんです」と聞いて、胸を突かれました。成績で何か全部、序列が決まってしまい、進学校に行けなかったりすると、それだけで人生の落後者みたいな気分になってしまう――そういう、もがきがあると思います。
 かと言って、成績がいいから、大きな「夢」をもっているかというと、そうでもなく、疲れきっている人が多い。ですから、どうすれば「自分らしく」生きられるのかというのは、大きな課題です。
3  悩みながら、ただ前に進もう
 池田 学歴主義の弊害です。「何のため」という根本を教えない。人間としての歩むべき「道」を教えない。それで、いたずらに若い人たちを苦しめている。本当に、憂うべき日本になってしまった。
 しかし、それでは、じゃあ、どうするのか。社会を恨み、学校を恨み、親を恨み、自分を恨んで、それで自分が満足できるのか。そうではないでしょう。かけがえのない自分です。自分で自分をくさらせてはいけない。
 ある意味で、どんな時代にも、深刻な苦しみはある。どんな時代にも青春は、悩みとの葛藤です。また、勉強のことだけではない。家族のこと、健康や容姿のこと、異性のこと、友人のこと、いろんな悩みがある。苦しみもある。不安もある。悔しさもある。悲しみもある。あらゆる悩みとの戦いが青春時代です。
 そのなかで、もがきながら、暗雲をかきわけ、太陽に向かっていこう、希望に向かっていこう。この力が青春です。悩みや、失敗や、後悔があるのは当たり前です。大事なのは、それらに負けないことだ。悩みながら、苦しみながら、前へ前へ進むことです。
 ―― わかりました。
 池田 道に迷った。海に出るには、どうするか。どの道でもいいから前へ進めばいい。そうすれば川に出る。川筋をたどっていけば、いつか必ず海へ出る。
 前へ進むことです。もがきながら、題目をあげ、一ミリでも二ミリでもいいから、何か前へ進む。そうやって生き抜いていけば、あとで振り返って、ジャングルを抜けたことがわかる。
 そして、苦しんだ分だけ、悲しんだ分だけ、題目をあげた分だけ、深い人生となっている。それが二十一世紀の指導者となるための栄養となっているのです。
 たとえば、自分が学歴主義、点数主義で苦しんだ。だから自分が将来、そうではない本物の教育をしていこう。一人一人が希望をもてる教育をしていこう。
 こう決意して、立ち上がれば、その人が二十一世紀の指導者です。

1
1