Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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正義の後継者 (第21回)

2009.7.30 「御書と師弟」

前後
1  御聖訓「法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり
2  私の師匠である戸田城聖先生は宣言されました。
 「社会のため、日本のため、人類のため、活躍する若い人材を大いに育てるのだ。これが、創価学会の大目的である」
 わが学会の希望である未来部の「躍進月間」が、この夏も始まりました。全国の学会っ子たちが、勉強に、読書に、スポーツにと、溌剌と挑戦する姿を、私は何よりも嬉しく見つめております。
 大切な広宣流布の宝の友を真心で励ましてくださる「未来部育成部長」「二十一世紀使命会」の皆様、いつも本当にありがとうございます。
 そして、お子さんの成長を祈りながら尊き大使命に走るお父さん方、お母さん方に、妻と共に題目を送る日々であります。
3  勇気を貫いた門下
 今回は、日蓮大聖人が若き南条時光に認められた御文を拝読しましょう。
 「法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり
 これは、建治元年(1275年)の御手紙です。時光は当時、数え年で17歳。ちょうど未来部の皆さんの年代でした。
 時光は、父と母から信心を受け継ぎ、一生涯にわたって水の流れるがごとく、勇気ある信心を貫き通した門下です。駿河(現在の静岡県中央部)の上野郷の地頭として貢献した、社会のリーダーでもありました。
 大聖人は、人々に尽くし、正義を護り抜くその信心と行動を讃えて「上野賢人」とも呼んでおられます。
 戸田先生は青年部と懇談の折、「大聖人門下の中で、誰が一番好感が持てるか」と問われたことがあります。私はすかさず「南条殿です」と答えたことを懐かしく思い起こします。
 時光は、わずか7歳の時に立派な父親を病気で亡くしました。この時、墓参のために足を運んでくださった大聖人と、永遠に輝く出会いを刻んだと拝されます。以来、大聖人を師と仰ぎ、母と共に真剣に信心に励むようになりました。
 そして時光は、学び鍛え、凛々しき若武者と生い立って、身延に入山された大聖人のもとへ自ら進んで馳せ参じたのです。この時、16歳。見事に成長した時光の逞しい姿を、大聖人はどれほど喜ばれたことでしょう。そして翌年、この御手紙を送られたのです。
 本抄では、自分を育んでくれた親を大切にすること、とりわけ、その恩に報いていくことが、仏法の道であると教えられています。
 今回の御文の直接の意味は、「法華経を持っていること自体が親孝行である」、すなわち法華経には親の恩を報ずる力があることが説かれています。
 それとともに、「法華経を持つ人こそ、親孝行をおろそかにしてはならない」という御指南と拝されます。
 亡くなった父の南条兵衛七郎は、地道な信心を誠実一路に持続しました。
 時光の母である上野尼御前は、子どもたちに大聖人の偉大さを語り、信心の後継の道を一緒に歩んできたのです。

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