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日蓮大聖人・池田大作

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四条金吾殿御返事  (1/2) おもひのままに入道にもなりておはせば・さき…
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んには・なにとも人申せ・くるしかるべからず、おもひのままに入道にもなりておはせば・さきさきならばくるしからず、又身にも心にもあはぬ事あまた出来せば・なかなか悪縁・度度・来るべし、このごろは女は尼になりて人をはかり男は入道になりて大悪をつくるなり、ゆめゆめ・あるべからぬ事なり、身に病なくとも・やいとを一二箇所やいて病の由あるべし、さわぐ事ありとも・しばらく人をもつて見せをほせさせ給へ。

事事くはしくは・かきつくしがたし、此の故に法門もかき候はず、御経の事はすずしくなり候いてかいてまいらせ候はん、恐恐謹言。

  建治二年丙子七月十五日               日蓮花押

   四条金吾殿御返事

四条金吾殿御返事

正法をひろむる事は必ず智人によるべし、故に釈尊は一切経を・とかせ給いて小乗経をば阿難・大乗経をば文殊師利・法華経の肝要をば一切の声聞・文殊等の一切の菩薩をきらひて上行菩薩をめして授けさせ給いき、設い正法を持てる智者ありとも檀那なくんば争か弘まるべき・然れば釈迦仏の檀那は梵王・帝釈の二人なりこれは二人ながら天の檀那なり、仏は六道の中には人天・人天の中には人に出でさせ給う・人には三千世界の中央・五天竺・五天竺の中には摩竭提国に出でさせ給いて候しに、彼の国の王を檀那とさだむべき処に彼の国の阿闍世王は悪人なり、聖人は悪王に生れあふ事第一の怨にて候しぞかし、阿闍世王は賢王なりし父をころす、又うちそふわざはひと提婆達多を師とせり、達多は三逆罪をつくる上・仏の御身より血を出だしたりし者ぞかし、不孝の悪王と謗法の師とよりあひて候しかば人間に二のわざはひにて候しなり、一年二年ならず数十年が間・仏にあだを・なしまいらせ


仏の御弟子を殺せし事・数をしらず、かかりしかば天いかりを・なして天変しきりなり、地神いかりを・なして地夭申すに及ばず、月月に悪風・年年に飢饉・疫癘来りて万民ほとんど・つきなんとせし上、四方の国より阿闍世王を責む、既に危く成りて候し程に阿闍世王・或は夢のつげにより・或は耆婆がすすめにより・或は心にあやしむ事ありて提婆達多をば・うち捨て仏の御前にまいりて・やうやうにたいほう申せしかば身の病忽にいゑ・他方のいくさも留まり国土安穏になるのみならず・三月の七日に御崩御なるべかりしが命をのべて四十年なり、千人の阿羅漢をあつめて一切経・ことには法華経を・かきをかせ給いき、今我等がたのむところの法華経は阿闍世王のあたへさせ給う御恩なり。

是はさてをきぬ・仏の阿闍世王にかたらせ給いし事を日蓮申すならば日本国の人は今つくれる事どもと申さんずらんなれども・我が弟子檀那なればかたりたてまつる、仏言わく我が滅後・末法に入つて又調達がやうなる・たうとく五法を行ずる者・国土に充満して悪王をかたらせて・但一人あらん智者を或はのり或はうち或は流罪或は死に及ぼさん時・昔にも・すぐれてあらん天変・地夭・大風・飢饉・疫癘・年年にありて他国より責べしと説かれて候、守護経と申す経の第十の巻の心なり。

当時の世にすこしもたがはず、然るに日蓮は此の一分にあたれり・日蓮をたすけんと志す人人・少少ありといへども或は心ざしうすし・或は心ざしは・あつけれども身がうごせず・やうやうにをはするに御辺は其の一分なり・心ざし人にすぐれて・をはする上わづかの身命をささうるも又御故なり、天もさだめて・しろしめし地もしらせ給いぬらん殿いかなる事にもあはせ給うならば・ひとへに日蓮がいのちを天のたたせ給うなるべし、人の命は山海・空市まぬかれがたき事と定めて候へども・又定業亦能転の経文もあり・又天台の御釈にも定業をのぶる釈もあり、前に申せしやうに蒙古国のよするまで・つつしませ給うなるべし、主の御返事をば申させ給うべし・身に病ありては


叶いがたき上・世間すでに・かうと見え候・それがしが身は時によりて憶病はいかんが候はんずらん、只今の心は・いかなる事も出来候はば入道殿の御前にして命をすてんと存じ候、若しやの事候ならば越後よりはせ上らんは・はるかなる上不定なるべし、たとひ所領を・めさるるなりとも今年は・きみをはなれまいらせ候べからず。

是より外は・いかに仰せ蒙るとも・をそれまいらせ候べからず、是よりも大事なる事は日蓮の御房の御事と過去に候父母の事なりと・ののしらせ給へ、すてられまいらせ候とも命はまいらせ候べし・後世は日蓮の御房にまかせまいらせ候と高声にうちなのり居させ給へ。

  建治二年丙子九月六日                日蓮花押

   四条金吾殿

四条金吾殿御返事

はるかに申し承り候はざりつれば・いぶせく候いつるに・かたがたの物と申し御つかいと申しよろこび入つて候又まほりまいらせ候、所領の間の御事は上よりの御文ならびに御消息引き合せて見候い畢んぬ、此の事は御文なきさきにすいして候、上には最大事と・おぼしめされて候へども御きんずの人人のざんそうにてあまりに所領をきらい上をかろしめたてまつり候、ぢうあうの人こそををく候にかくまで候へば且らく御恩をば・おさへさせ給うべくや候らんと申しぬらんと・すいして候なり・それにつけては御心えあるべし御用意あるべし、我が身と申しをやるいしんと申し・かたがた御内に不便といはれまいらせて候大恩の主なる上すぎにし日蓮が御かんきの時・日本一同ににくむ事なれば弟子等も或は所領を・ををかたよりめされしかば又方方の人人も或は御内内をいだし