Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

教機時国抄  (5/5) 三類の敵人を顕さずんば法華経の行者に非ず之…
442

顕さずんば法華経の行者に非ず之を顕すは法華経の行者なり、而れども必ず身命を喪わんか、例せば師子尊者・提婆菩薩等の如くならん云云。

  二月十日                      日蓮花押


顕謗法抄

                  弘長二年 四十一歳御作

                            本朝沙門 日蓮撰

第一に八大地獄の因果を明し、第二に無間地獄の因果の軽重を明し、第三に問答料簡を明し、第四に行者弘経の用心を明す。

第一に八大地獄の因果を明さば、

第一に等活地獄とは此の閻浮提の地の下・一千由旬にあり此の地獄は縦広斉等にして一万由旬なり、此の中の罪人は・たがいに害心をいだく若たまたま相見れば犬と猨とのあえるがごとし、各鉄の爪をもて互につかみさく血肉既に尽きぬれば唯骨のみあり、或は獄卒手に鉄杖を取つて頭より足にいたるまで皆打くだく身体くだけて沙のごとし、或は利刀をもつて分分に肉をさく然れども又よみがへり・よみがへりするなり・此の地獄の寿命は人間の昼夜五十年をもつて第一・四王天の一日一夜として四王天の天人の寿命五百歳なり、四王天の五百歳を此れ等活地獄の一日一夜として其の寿命五百歳なり、此の地獄の業因をいはば・ものの命をたつもの此の地獄に堕つ螻蟻蚊蝱等の小虫を殺せる者も懺悔なければ必ず此の地獄に堕つべし、譬へばはりなれども水の上にをけば沈まざることなきが如し、又懺悔すれども懺悔の後に重ねて此の罪を作れば後の懺悔には此の罪きえがたし、譬へばぬすみをして獄に入りぬるものの・しばらく経て後に御免を蒙りて獄を出ずれども又重ねて盗をして獄に入りぬれば出ゆるされがたきが如し、されば当世の日本国の人は上一人より下万民に至まで此の地獄をまぬがるる人は一人もありがたかるべし、何に持戒のをぼへを・とれる持律の僧たりとも蟻虱なんどを殺さず蚊蝱をあやまたざ


るべきか、況や其外山野の鳥鹿・江海の魚鱗を日日に殺すものをや、何に況や牛馬人等を殺す者をや。

第二に黒繩地獄とは等活地獄の下にあり縦広は等活地獄の如し、獄卒・罪人をとらえて熱鉄の地にふせて熱鉄の繩をもつて身にすみうつて熱鉄の斧をもつて繩に随つてきり・さきけづる又鋸を以てひく・又左右に大なる鉄の山あり山の上に鉄の幢を立て鉄の繩をはり罪人に鉄の山をををせて繩の上よりわたす繩より落ちてくだけ或は鉄のかなえに堕し入れてにらる此の苦は上の等活地獄の苦よりも十倍なり、人間の一百歳は第二の忉利天の一日一夜なり其の寿一千歳なり此の天の寿一千歳を一日一夜として此の第二の地獄の寿命一千歳なり、殺生の上に偸盗とて・ぬすみを・かさねたるもの此の地獄にをつ、当世の偸盗のもの・ものをぬすむ上・物の主を殺すもの此の地獄に堕つべし。

第三に衆合地獄とは黒繩地獄の下にあり縦広は上の如し多くの鉄の山二つづつに相向へり、牛頭・馬頭等の獄卒・手に棒を取つて罪人を駈りて山の間に入らしむ、此の時・両の山迫り来て合せ押す身体くだけて血流れて地にみつ、又種種の苦あり、人間の二百歳を第三の夜摩天の一日一夜として此の天の寿二千歳なり此の天の寿を一日一夜として此の地獄の寿命二千歳なり、殺生・偸盗の罪の上に邪婬とて他人のつまを犯す者此の地獄の中に堕つべし、而るに当世の僧・尼・士・女・多分は此の罪を犯す殊に僧にこの罪多し、士女は各各互にまほり又人目をつつまざる故に此の罪ををかさず僧は一人ある故に婬欲とぼしきところに若し有身ば父ただされ・あらはれぬべきゆへに独ある女人を・をかさず、もしや・かくるると他人の妻をうかがひ・ふかく・かくれんと・をもうなり、当世のほかたうとげなる僧の中にことに此の罪又多くあるらんと・をぼゆ、されば多分は当世たうとげなる僧・此の地獄に堕つべし。

第四に叫喚地獄とは衆合の下にあり縦広前に同じ獄卒悪声出して弓箭をもつて罪人をいる、又鉄の棒を以て頭