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日蓮大聖人・池田大作

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教機時国抄  (4/5) 日蓮・仏語の実否を勘うるに三類の敵人之有り…
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の中にも法華経の国為る可きなり瑜伽論・肇公の記・聖徳太子・伝教大師・安然等の記之有り是れ国を知れる者なり、而るに当世の学者日本国の衆生に向つて一向に小乗の戒律を授け一向に念仏者等と成すは「譬えば宝器に穢食を入れたるが如し」等云云宝器の譬・伝教大師の守護章に在り、日本国には欽明天皇の御宇に仏法百済国より渡り始めしより桓武天皇に至るまで二百四十余年の間此の国に小乗・権大乗のみ弘まり法華経有りと雖も其の義未だ顕れず、例せば震旦国に法華経渡つて三百余年の間・法華経有りと雖も其の義未だ顕れざりしが如し、桓武天皇の御宇に伝教大師有して小乗・権大乗の義を破して法華経の実義を顕せしより已来又異義無く純一に法華経を信ず、設い華厳・般若・深密・阿含・大小の六宗を学する者も法華経を以て所詮と為す、況や天台・真言の学者をや何に況や在家の無智の者をや、例せば崑崙山に石無く蓬莱山に毒無きが如し、建仁より已来今に五十余年の間・大日・仏陀・禅宗を弘め、法然・隆寛・浄土宗を興し実大乗を破して権宗に付き一切経を捨てて教外を立つ、譬えば珠を捨てて石を取り地を離れて空に登るが如し此は教法流布の先後を知らざる者なり。

仏誡めて云く「悪象に値うとも悪知識に値わざれ」等と云云、法華経の勧持品に後の五百歳・二千余年に当つて法華経の敵人・三類有る可しと記し置きたまえり当世は後五百歳に当れり、日蓮・仏語の実否を勘うるに三類の敵人之有り之を隠さば法華経の行者に非ず之を顕さば身命定めて喪わんか、法華経第四に云く「而も此の経は如来の現在にすら猶怨嫉多し況や滅度の後をや」等と云云、同じく第五に云く「一切世間怨多くして信じ難し」と、又云く「我身命を愛せず但無上道を惜む」と、同第六に云く「自ら身命を惜まず」と云云、涅槃経第九に云く「譬えば王使の善能談論し方便に巧みなる命を他国に奉け寧ろ身命を喪うとも終に王の所説の言教を匿さざるが如し、智者も亦爾なり凡夫の中に於て身命を惜まずして要必大乗方等を宣説すべし」と云云、章安大師釈して云く「寧喪身命不匿教とは身は軽く法は重し身を死して法を弘めよ」等と云云、此等の本文を見れば三類の敵人を


顕さずんば法華経の行者に非ず之を顕すは法華経の行者なり、而れども必ず身命を喪わんか、例せば師子尊者・提婆菩薩等の如くならん云云。

  二月十日                      日蓮花押


顕謗法抄

                  弘長二年 四十一歳御作

                            本朝沙門 日蓮撰

第一に八大地獄の因果を明し、第二に無間地獄の因果の軽重を明し、第三に問答料簡を明し、第四に行者弘経の用心を明す。

第一に八大地獄の因果を明さば、

第一に等活地獄とは此の閻浮提の地の下・一千由旬にあり此の地獄は縦広斉等にして一万由旬なり、此の中の罪人は・たがいに害心をいだく若たまたま相見れば犬と猨とのあえるがごとし、各鉄の爪をもて互につかみさく血肉既に尽きぬれば唯骨のみあり、或は獄卒手に鉄杖を取つて頭より足にいたるまで皆打くだく身体くだけて沙のごとし、或は利刀をもつて分分に肉をさく然れども又よみがへり・よみがへりするなり・此の地獄の寿命は人間の昼夜五十年をもつて第一・四王天の一日一夜として四王天の天人の寿命五百歳なり、四王天の五百歳を此れ等活地獄の一日一夜として其の寿命五百歳なり、此の地獄の業因をいはば・ものの命をたつもの此の地獄に堕つ螻蟻蚊蝱等の小虫を殺せる者も懺悔なければ必ず此の地獄に堕つべし、譬へばはりなれども水の上にをけば沈まざることなきが如し、又懺悔すれども懺悔の後に重ねて此の罪を作れば後の懺悔には此の罪きえがたし、譬へばぬすみをして獄に入りぬるものの・しばらく経て後に御免を蒙りて獄を出ずれども又重ねて盗をして獄に入りぬれば出ゆるされがたきが如し、されば当世の日本国の人は上一人より下万民に至まで此の地獄をまぬがるる人は一人もありがたかるべし、何に持戒のをぼへを・とれる持律の僧たりとも蟻虱なんどを殺さず蚊蝱をあやまたざ