Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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御義口伝巻下  (22/52) 抜苦与楽
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       薬王品六箇の大事

第一 不如受持此法華経乃至一四句偈の事

御義口伝に云く法華経とは一経廿八品なり一四句偈とは題目の五字と心得可きなり云云。

第二 十喩の事

御義口伝に云く十喩とは十界なり、此の山の下に地獄界を含めり、川流江河餓鬼畜生を摂せり・日月の下に修羅を収めたり帝釈梵天は天界なり・凡夫人とは人間なり、声聞とは四向四果の阿羅漢なり・縁覚とは辟支仏中と説かれたり、菩薩は菩薩為第一と云えり仏界は如仏為諸法王と見えたり、此の十界を十喩と挙げて教相を分別してさて妙法蓮華経の於一仏乗より分別説三する時此くの如く挙げたり、仍つて一念三千の法門なり一念三千は抜苦与楽なり。

第三 離一切苦一切病痛能解一切生死之縛の事

御義口伝に云く法華の心は煩悩即菩提生死即涅槃なり、離解の二字は此の説相に背くなり然るに離の字をば明とよむなり、本門寿量の慧眼開けて見れば本来本有の病痛苦悩なりと明らめたり仍つて自受用報身の智慧なり、解とは我等が生死は今始めたる生死に非ず本来本有の生死なり、始覚の思縛解くるなり云云、離解の二字は南無妙法蓮華経なり云云。

第四 火不能焼水不能漂の事

御義口伝に云く火とは阿鼻の炎なり水とは紅蓮の氷なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は此くの如くなるべし云云。


第五 諸余怨敵皆悉摧滅の事

御義口伝に云く怨敵とは念仏・禅・真言等の謗法の人なり摧滅とは法華折伏破権門理なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る是なり云云。

第六 若人有病得聞是経病即消滅不老不死の事

文句の十に云く此に観解を須ゆべしと。御義口伝に云く若人とは上・仏果より下・地獄の罪人まで之を摂す可きなり、病とは三毒の煩悩・仏菩薩に於ても亦之れ有るなり、不老は釈尊不死は地涌の類たり、是は滅後当今の衆生の為に説かれたり、然らば病とは謗法なり、此の経を受持し奉る者は病即消滅疑無きなり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者是なり云云。

       妙音品三箇の大事

第一 妙音菩薩の事

御義口伝に云く妙音菩薩とは十界の衆生なり、妙とは不思議なり音とは一切衆生の吐く所の語言音声が妙法の音声なり三世常住の妙音なり、所用に随つて諸事を弁ずるは慈悲なり是を菩薩と云うなり、又云く妙音とは今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る事は末法当今の不思議の音声なり、其の故は煩悩即菩提生死即涅槃の妙音なり云云。

第二 肉髻白毫の事

御義口伝に云く此の二の相好は孝順師長より起れり法華経を持ち奉るを以て一切の孝養の最頂とせり、又云


く此の白毫とは父の婬なり肉髻とは母の婬なり赤白二渧・今経に来つて肉髻・白毫の二相と顕れたり、又云く肉髻は随縁真如の智なり白毫は不変真如の理なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは此等の相好を具足するなり、我等が生の始は赤色肉髻なり死後の白骨は白毫相なり、生の始の赤色は随縁真如の智死後の白骨は不変真如の理なり秘す可し秘す可し云云。

第三 八万四千七宝鉢の事

御義口伝に云く此の文は妙音菩薩雲雷音王仏に奉る所の供養の鉢なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は八万四千の鉢を三世の諸仏に供養し奉るなり、八万四千とは我等が八万四千の塵労なり南無妙法蓮華経と唱え奉る処にて八万四千の法門と顕るるなり、法華経の文字は開・結・二経を合しては八万四千なり、又云く八とは八苦なり四とは生老病死なり七宝とは頭上の七穴なり鉢とは智器なり妙法の智水を受持するを以て鉢とは心得可きなり云云。

       普門品五箇の大事

第一 無尽意菩薩の事

御義口伝に云く無尽意とは円融の三諦なり、無とは空諦・尽とは仮諦・意とは中道なり、観世音とは観は空諦・世は仮諦・音は中道なり、妙法蓮華経とは妙とは空諦・法蓮華は仮諦・経とは中道なり、三諦法性の妙理を三諦の観世音と三諦の無尽意に対して説き給うなり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は末法の無尽意なり、所詮無とは我等が死の相なり尽とは我等が生の相なり意とは我等が命根なり、然る間一切の法門・境智