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日蓮大聖人・池田大作

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三沢抄  (4/4) 神は所従なり法華経は主君なり
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まいりてあるついでと候しかば・けさんに入るならば・定めてつみふかかるべし、其の故は神は所従なり法華経は主君なり・所従のついでに主君への・けさんは世間にも・をそれ候、其の上尼の御身になり給いては・まづ仏をさきとすべし、かたがたの御とがありしかばけさんせず候、此の又尼ごぜん一人にはかぎらず、其の外の人人も・しもべのゆのついでと申す者をあまた・をひかへして候、尼ごぜんは・をやのごとくの御としなり、御なげきいたわしく候いしかども此の義をしらせまいらせんためなり。

又とのは・をととしかのけさんの後そらごとにてや候いけん御そらうと申せしかば・人をつかわして・きかんと申せしに・此の御房たちの申せしはそれはさる事に候へども・人をつかわしたらば・いぶせくやをもはれ候はんずらんと申せしかば・世間のならひは・さもやあるらむ、げんに御心ざしまめなる上・御所労ならば御使も有りなんと・をもひしかども・御使もなかりしかば・いつわりをろかにて・をぼつかなく候いつる上無常は常のならひなれども・こぞことしは世間はうにすぎて・みみへまいらすべしとも・をぼへず、こひしくこそ候いつるに御をとづれあるうれしとも申す計りなし、尼ごぜんにも・このよしをつぶつぶとかたり申させ給い候へ、法門の事こまごまと・かきつへ申すべく候へども事ひさしくなり候へばとどめ候。

ただし禅宗と念仏宗と律宗等の事は少少前にも申して候、真言宗がことに此の国とたうどとをば・ほろぼして候ぞ、善無畏三蔵・金剛智三蔵・不空三蔵・弘法大師・慈覚大師・智証大師・此の六人が大日の三部経と法華経との優劣に迷惑せしのみならず、三三蔵・事をば天竺によせて両界をつくりいだし狂惑しけるを・三大師うちぬかれて日本へならひわたし国主並に万民につたへ、漢土の玄宗皇帝も代をほろぼし・日本国もやうやくをとろへて八幡大菩薩の百王のちかいもやぶれて・八十二代隠岐の法王・代を東にとられ給いしは・ひとへに三大師の大僧等がいのりしゆへに還著於本人して候、関東は此の悪法悪人を対治せしゆへに十八代をつぎて百王にて候べく候いつる


を、又かの悪法の者どもを御帰依有るゆへに一国には主なければ・梵釈・日月・四天の御計いとして他国にをほせつけて・をどして御らむあり、又法華経の行者をつかわして御いさめあるを・あやめずして・彼の法師等に心をあわせて世間出世の政道をやぶり、法にすぎて法華経の御かたきにならせ給う、すでに時すぎぬれば此の国やぶれなんとす。

やくびやうはすでにいくさにせんふせわまたしるしなり、あさまし・あさまし。

  二月二十三日                    日蓮花押

   みさわどの

十字御書

十字一百まい・かしひとこ給い了んぬ、正月の一日は日のはじめ月の始めとしのはじめ春の始め・此れをもてなす人は月の西より東をさしてみつがごとく・日の東より西へわたりてあきらかなるがごとく・とくもまさり人にもあいせられ候なり。

抑地獄と仏とはいづれの所に候ぞとたづね候へば・或は地の下と申す経文もあり・或は西方等と申す経も候、しかれども委細にたづね候へば我等が五尺の身の内に候とみへて候、さもやをぼへ候事は我等が心の内に父をあなづり母ををろかにする人は地獄其の人の心の内に候、譬へば蓮のたねの中に花と菓とのみゆるがごとし、仏と申す事も我等の心の内にをはします・譬へば石の中に火あり珠の中に財のあるがごとし、我等凡夫はまつげのちかきと虚空のとをきとは見候事なし、我等が心の内に仏はをはしましけるを知り候はざりけるぞ、ただし疑ある


事は我等は父母の精血変じて人となりて候へば三毒の根本婬欲の源なり、いかでか仏はわたらせ給うべきと疑い候へども・又うちかへし・うちかへし案じ候へば其のゆわれもやとをぼへ候、蓮はきよきもの泥よりいでたり、せんだんはかうばしき物大地よりをいたり、さくらはをもしろき物・木の中よりさきいづ、やうきひは見めよきもの下女のはらよりむまれたり、月は山よりいでて山をてらす、わざわいは口より出でて身をやぶる・さいわいは心よりいでて我をかざる。

今正月の始に法華経をくやうしまいらせんと・をぼしめす御心は・木より花のさき・池より蓮のつぼみ・雪山のせんだんのひらけ・月の始めて出るなるべし、今日本国の法華経をかたきとしてわざわいを千里の外よりまねきよせぬ、此れをもつてをもうに今又法華経を信ずる人は・さいわいを万里の外よりあつむべし、影は体より生ずるもの・法華経をかたきとする人の国は体に・かげのそうがごとく・わざわい来るべし、法華経を信ずる人は・せんだんに・かをばしさのそなえたるがごとし、又又申し候べし。

  正月五日                      日蓮在御判

   をもんすどのの女房御返事