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日蓮大聖人・池田大作

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善無畏三蔵抄  (10/10) 仮令強言なれども人をたすくれば実語・輭語な…
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見を翻し給ふか善人に成り給いぬと悦び思ひ候処に又此の釈迦仏を造らせ給う事申す計りなし、当座には強なる様に有りしかども法華経の文のままに説き候いしかばかうおれさせ給へり、忠言耳に逆らい良薬口に苦しと申す事は是なり。

今既に日蓮・師の恩を報ず定めて仏神・納受し給はんか、各各此の由を道善房に申し聞かせ給ふべし、仮令強言なれども人をたすくれば実語・輭語なるべし、設ひ輭語なれども人を損ずるは妄語・強言なり、当世・学匠等の法門は輭語・実語と人人は思食したれども皆強言妄語なり、仏の本意たる法華経に背く故なるべし、日蓮が念仏申す者は無間地獄に堕つべし禅宗・真言宗も又謬の宗なりなんど申し候は強言とは思食すとも実語・輭語なるべし、例せば此の道善御房の法華経を迎へ釈迦仏を造らせ給う事は日蓮が強言より起る、日本国の一切衆生も亦復是くの如し、当世・此の十余年已前は一向念仏者にて候いしが十人が一二人は一向に南無妙法蓮華経と唱へ二三人は両方になり、又一向念仏申す人も疑をなす故に心中に法華経を信じ又釈迦仏を書き造り奉る、是れ亦日蓮が強言より起る、譬えば栴檀は伊蘭より生じ蓮華は泥より出でたり而るに念仏は無間地獄に堕つると申せば当世牛馬の如くなる智者どもが日蓮が法門を仮染にも毀るは糞犬が師子王をほへ癡猿が帝釈を笑ふに似たり。

  文永七年                      日蓮花押

   義浄房浄顕房


佐渡御勘気抄

                    文永八年十月 五十歳御作

                    与 円浄房   於佐渡

九月十二日に御勘気を蒙て今年十月十日佐渡の国へまかり候なり、本より学文し候し事は仏教をきはめて仏になり恩ある人をも・たすけんと思ふ、仏になる道は必ず身命をすつるほどの事ありてこそ仏にはなり候らめと・をしはからる、既に経文のごとく悪口・罵詈・刀杖・瓦礫・数数見擯出と説かれてかかるめに値い候こそ法華経をよむにて候らめと、いよいよ信心もおこり後生もたのもしく候、死して候はば必ず各各をも・たすけたてまつるべし、天竺に師子尊者と申せし人は檀弥羅王に頸をはねられ提婆菩薩は外道につきころさる、漢土に竺の道生と申せし人は蘇山と申す所へながさる、法道三蔵は面にかなやきをやかれて江南と申す所へながされき、是れ皆法華経のとく仏法のゆへなり、日蓮は日本国・東夷・東条・安房の国・海辺の旃陀羅が子なり、いたづらに・くちん身を法華経の御故に捨てまいらせん事あに石に金を・かふるにあらずや、各各なげかせ給うべからず、道善の御房にも・かう申しきかせまいらせ給うべし、領家の尼御前へも御ふみと存じ候へども先かかる身のふみなれば・なつかしやと・おぼさざるらんと申しぬると便宜あらば各各・御物語り申させ給い候へ。

  十月 日                      日蓮花押


義浄房御書

御法門の事委しく承はり候い畢んぬ、法華経の功徳と申すは唯仏与仏の境界・十方分身の智慧も及ぶか及ばざるかの内証なり、されば天台大師も妙の一字をば妙とは妙は不可思議と名くと釈し給いて候なるぞ前前御存知の如し、然れども此の経に於て重重の修行分れたり天台・妙楽・伝教等計りしらせ給う法門なり、就中く伝教大師は天台の後身にて渡らせ給へども人の不審を晴さんとや思し食しけん大唐へ決をつかはし給ふ事多し、されば今経の所詮は十界互具・百界千如・一念三千と云ふ事こそゆゆしき大事にては候なれ、此の法門は摩訶止観と申す文にしるされて候、次に寿量品の法門は日蓮が身に取つてたのみあることぞかし、天台・伝教等も粗しらせ給へども言に出して宣べ給はず竜樹・天親等も亦是くの如し、寿量品の自我偈に云く「一心に仏を見たてまつらんと欲して自ら身命を惜しまず」云云、日蓮が己心の仏界を此の文に依つて顕はすなり、其の故は寿量品の事の一念三千の三大秘法を成就せる事・此の経文なり秘す可し秘す可し、叡山の大師・渡唐して此の文の点を相伝し給う処なり、一とは一道清浄の義心とは諸法なり、されば天台大師心の字を釈して云く「一月三星・心果清浄」云云、日蓮云く一とは妙なり心とは法なり欲とは蓮なり見とは華なり仏とは経なり、此の五字を弘通せんには不自惜身命是なり、一心に仏を見る心を一にして仏を見る一心を見れば仏なり、無作の三身の仏果を成就せん事は恐くは天台伝教にも越へ竜樹・迦葉にも勝れたり、相構へ相構へて心の師とはなるとも心を師とすべからずと仏は記し給ひしなり、法華経の御為に身をも捨て命をも惜まざれと強盛に申せしは是なり、南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経。

  文永十年五月二十八日                日蓮花押

義浄房御返事