Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

御義口伝巻上  (19/43) 今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉りて日…
727

第五 無上宝聚不求自得の事

御義口伝に云く無上に重重の子細あり、外道の法に対すれば三蔵教は無上・外道の法は有上なり又三蔵教は有上・通教は無上・通教は有上・別教は無上・別教は有上・円教は無上、又爾前の円は有上・法華の円は無上・又迹門の円は有上・本門の円は無上、又迹門十三品は有上・方便品は無上・又本門十三品は有上・一品二半は無上、又天台大師所弘の止観は無上・玄文二部は有上なり、今日蓮等の類いの心は無上とは南無妙法蓮華経・無上の中の極無上なり、此の妙法を指して無上宝聚と説き給うなり、宝聚とは三世の諸仏の万行万善の諸波羅蜜の宝を聚めたる南無妙法蓮華経なり、此の無上宝聚を辛労も無く行功も無く一言に受取る信心なり不求自得とは是れなり、自の字は十界なり十界各各得るなり諸法実相是なり、然る間此の文・妙覚の釈尊・我等衆生の骨肉なり能く能く之を案ず可し云云。

第六 世尊大恩の事

御義口伝に云く世尊とは釈尊大恩とは南無妙法蓮華経なり、釈尊の大恩を報ぜんと思わば法華経を受持す可き者なり是れ即ち釈尊の御恩を奉じ奉るなり、大恩を題目と云う事は次下に以稀有事と説く、希有の事とは題目なり、此の大恩の妙法蓮華経を四十余年の間秘し給いて後八箇年に大恩を開き給うなり、文句の一に云く「法王運を啓く」と運とは大恩の妙法蓮華経なり云云、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉りて日本国の一切衆生を助けんと思うは豈世尊の大恩に非ずや、章安大師十種の恩を挙げたりしなり第一には慈悲逗物の恩・第二には最初下種の恩・第三には中間随逐の恩・第四には隠徳示拙の恩・第五には鹿苑施小の恩・第六には耻小慕大の恩・第七には領地家業の恩・第八には父子決定の恩・第九には快得安穏の恩・第十には還用利多の恩なり此の十恩即ち衣座室の三軌なりと云云、記の六に云く「宿萠稍割けて尚未だ敷栄せず長遠の恩何に由りてか報ず可


き」と、又云く「注家は但物として施を天地に答えず子として生を父母に謝せず感報斯に亡するを以てなり、と云えり」、輔正記の六に云く「物は施を天地に答えずとは謂く物は天地に由て生ずと雖も而も天地の沢を報ずと云わず子も亦之の如し」と、記の六に云く「況や復只だ我をして報亡せしむるに縁る斯の恩報じ叵きをや」と、輔正記に云く「只縁令我報亡とは意に云く只如来の声聞をして等しく亡報の理を得せしむるに縁るなり理は謂く一大涅槃なり」と。

御義口伝に云く此くの如く重重の所釈之れ有りと雖も所詮南無妙法蓮華経の下種なり下種の故に如影随形し給うなり、今日蓮も此くの如きなり妙法蓮華経を日本国の一切衆生等に与え授くる豈釈尊の十恩に非ずや、十恩は即ち衣座室の三軌なりとは第一第二第三は大慈為室の御恩なり第四第五第六第七は柔和忍辱衣の恩なり第八第九第十は諸法空為座の恩なり、第六の耻小慕大の恩を記の六に云く「故に頓の後に於て便ち小化を垂れ弾斥淘汰し槌砧鍛錬す」と。

       薬草喩品五箇の大事

第一 薬草喩品の事

記の七に云く無始の性徳は地の如く大乗の心を発するは種の如し二乗の心を発するは草木の芽茎の如し今初住に入るは同じく仏乗の芽茎等を成ずるが如しと。

御義口伝に云く法華の心を信ずるは種なり諸法実相の内証に入れば仏果を成ずるなり、薬とは九界の衆生の心法なり其の故は権教の心は毒草なり法華に値いぬれば三毒の煩悩の心地を三身果満の種なりと開覚するを薬とは云うなり、今日蓮等の類い妙法の薬を煩悩の草に受くるなり煩悩即菩提生死即涅槃と覚らしむるを喩とは云うなり、釈に云く「喩とは暁訓なり」と薬草喩とは我等行者の事なり。


第二 此の品述成段の事

御義口伝に云く述とは迦葉なり成とは釈尊なり、述成の二字は迦葉・釈尊一致する義なり、所詮・述は所化の領解、成は仏の印加なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と領するは述なり日蓮が讃嘆するは成なり我等が即身成仏を説き極めたる品なり、述成一致符契するは述成不二の即身成仏なり此の述成は法界三千の皆成仏道の述成なり。

第三 雖一地所生一雨所潤等の事

御義口伝に云く随縁不変の起る所の文なり、妙楽大師云く「随縁不変の説は大教より出で木石無心の言は小宗より生ず」と、此の大教とは一経の惣体に非ず此の雖一地所生等の十七字を指すなり、一地所生一雨所潤は無差別譬・而諸草木各有差別は有差別譬なり無差別譬の故に妙なり有差別譬の故に法なり云云、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは有差を置くなり廿八品は有差別なり、妙法の五字は無差別なり、一地とは迹門の大地一雨とは本門の義天・一地とは従因至果・一雨とは従果向因、末法に至つて従果向因の一雨を弘通するなり一雨とは題目に余行を交えざるなり、序品の時は雨大法雨と説き此の品の時は一雨所潤と説けり一雨所潤は序品の雨大法雨を重ねて仏説き給うなり、一地とは五字の中の経の一字なり一雨とは五字の中の妙の一字なり法蓮華の三字は三千万法・中にも草木なり三乗・五乗・七方便・九法界なり云云。

第四 破有法王出現世間の事

御義口伝に云く有とは謗法の者なり破とは折伏なり法王とは法華経の行者なり世間とは日本国なり、又云く破は空・有は仮・法王は中道なり、されば此の文をば釈迦如来の種子と伝うるなり惣じて三世の諸仏の出世は此の文に依るなり、有とは三界廿五有なり破とは有執を破するなり法王とは十界の衆生の心法なり王とは心法を