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日蓮大聖人・池田大作

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滝泉寺申状  (5/5) 法華経に於ては不信用の法なり速に法華経の読…
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むるの間、頼円は下知に随つて起請を書いて安堵せしむと雖も日禅等は起請を書かざるに依つて所職の住坊を奪い取るの時・日禅は即ち離散せしめ畢んぬ、日秀・日弁は無頼の身たるに依つて所縁を相憑み猶寺中に寄宿せしむるの間此の四箇年の程・日秀等の所職の住坊を奪い取り厳重の御祈祷を打ち止むるの余り悪行猶以て飽き足らず為に法華経行者の跡を削り謀案を構えて種種の不実を申し付くるの条・豈在世の調達に非ずや。

凡そ行智の所行は法華三昧の供僧・和泉房蓮海を以て法華経を柿紙に作り紺形を彫り堂舎の修治を為す、日弁に御書下を給い構え置く所の上葺榑一万二千寸の内八千寸を之を私用せしむ、下方の政所代に勧め去る四月御神事の最中に法華経信心の行人・四郎男を刄傷せしめ去る八月弥四郎坊男の頸を切らしむ、日秀等に頸を刎ぬる事を擬して此の中に書き入れ無智無才の盗人・兵部房静印より過料を取り器量の仁と称して当寺の供僧に補せしめ、或は寺内の百姓等を催し鶉狩・狸殺・狼落の鹿を取りて別当の坊に於て之を食らい或は毒物を仏前の池に入れ若干の魚類を殺し村里に出して之を売る、見聞の人・耳目を驚かさざるは莫し仏法破滅の基悲んで余り有り。

此くの如き不善の悪行・日日相積るの間日秀等愁歎の余り依つて上聞を驚かさんと欲す、行智条条の自科を塞がんが為に種種の秘計を廻らし近隣の輩を相語らい遮つて跡形も無き不実を申し付け日秀等を損亡せしめんと擬するの条言語道断の次第なり、冥に付け顕に付け戒めの御沙汰無からんや、所詮仏法の権実沙汰の真偽・淵底を究めて御尋ね有り且は誠諦の金言に任せ且は式条の明文に准し禁遏を加えられば守護の善神は変を消し擁護の諸天は咲を含まん、然れば則ち不善悪行の院主代・行智を改易せられ将た又本主此の重科を脱れ難からん何ぞ実相寺に例如せん、誤まらざるの道理に任せて日秀・日弁等は安堵の御成敗を蒙むり堂舎を修理せしめ天長地久御祈祷の忠勤を抽んでんと欲す、仍て状を勒し披陳言上件の如し。

  弘安二年十月  日               沙門 日秀日弁等上


百六箇抄   〈血脈抄〉

                    弘安三年 五十九歳

                    与 日興

具騰本種・正法の実義・本迹勝劣正伝、本因妙の教主・本門の大師・日蓮謹んで之を結要す。

万年救護写瓶の弟子日興に之を授与す云云、脱種合して一百六箇之れ在り、霊山浄土・多宝塔中・久遠実成・無上覚王・直授相承本迹勝劣の口決相伝譜、久遠名字より已来た本因本果の主・本地自受用報身の垂迹上行菩薩の再誕・本門の大師日蓮詮要す。

理の一念三千・一心三観本迹

三世諸仏の出世成道の脱益寿量の義理の三千は釈迦諸仏の仏心と妙法蓮華経の理観の一心とに蘊在せる理なり。

大通今日・法華本迹

久遠名字本因妙を本として中間・今日・下種する故に久成を本と為し中間・今日の本迹を倶に迹と為る者なり。

応仏一代の本迹

久遠下種・霊山得脱・妙法値遇の衆生を利せん為に無作三身・寂光浄土従り三眼三智をもつて九界を知見し迹を垂れ権を施す後に説く妙経の故に今日の本迹共に迹と之を得る者なり。

迹門為理円の一致の本迹

松柏風波・万声一如・諸法実相の理上の観心は応仏の域を引かえたる故に本迹とは別れども唯理の上の法相なれば本迹理観の妙法と顕す、迹化は付属無きが故に之を弘めず。


心法即身成仏の本迹

中間・今日も迹門は心法の成仏なれば華厳・阿含・方等・般若・法華の安楽行品に至るまで円理に同ずるが故に迹は劣り本は勝るる者なり。

心法妙法蓮華経の本迹

山家云く一切諸法・従本已来・不生不滅・性相凝然・釈迦口を閉ぢて身子言を絶す云云、方便品には理具の十界互具を説く本門に至つて顕本理上の法相なれば久遠に対して之を見るに実相は久遠垂迹の本門なる故に色法に非るなり。

従因至果・中間今日の本迹

像法の修行は天台・伝教・弘通の本迹は中間・今日の迹門を因と為し本門修行を果と為るなり。

本果の妙法蓮華経の本迹

今日の本果は従因至果なれば本の本果には劣るなり、寿量の脱益・在世一段の一品二半は舎利弗等の声聞の為の観心なり、我等が為には教相なり、情は迹劣本勝なり、又滅後像法相似・観行解了の行益も以て是くの如し、南岳・天台・伝教の修行の如く末法に入つて修行せば帯権隔歴の行と成つて我等が為には虚戯の行と成る可きなり、日蓮は一向本・天台は一向迹・能く能く之を問う可し。

疏の九に云く爾前皆虚にして実ならず迹門は一虚一実・本門は皆実不虚云云、爾前二種の失の事・一には存行布故仍未開権とて迹門の理の一念三千を隠せり、二には言始成故尚未発迹とて本門の久遠を隠せり迹門方便品は一念三千・二乗作仏を説いて爾前・二種の失一つ脱がれたり、本門に至りて迹門の十界因果を打破