下さざるは現在に種を成じ未来に方に益す故に三世の益皆法輪に因る」と薬草喩品に云く「汝等が所行は是れ菩薩の道なり漸漸に修学して悉く当に成仏すべし」云云、記の一に云く「一時・一説・一念の中・三世・九世・種熟脱の三あり」弟子品に云く「諸の比丘諦かに聴け仏子所行の道善く方便を学ぶが故に思議することを得可からず衆の小法を楽つて而して大智を畏るることを知る、是の故に諸の菩薩・声聞・縁覚と作る無数の方便を以て諸の衆生の類を化す」云云、又云く「内に菩薩の行を秘し外に是れ声聞なることを現す少欲にして生死を厭えども実には自ら仏土を浄む、衆に三毒有ることを示し又邪見の相を現ず我が弟子是くの如く方便して衆生を度す」云云、方便品に云く「大乗に入る為れ本なり」云云、分別功徳品に云く「願わくば我未来に於て長寿を以て衆生を度せん」云云、玄義の七に云く「但本極の法身・微妙深遠なり仏若し説かずんば弥勒尚暗し何に況や下地をや何に況や凡夫をや」云云、伝教大師の秀句の下に云く「浅は易し深は難し釈迦の所判なり浅を去つて深に就くは丈夫の心なり天台大師は釈迦に信順して法華宗を助けて震旦に敷揚し叡山の一家は天台に相承して法華宗を助けて日本に弘通す」云云、又云く「謹みて法華経法師品の偈を案ずるに云く薬王今汝に告ぐ我か所説の諸経而も此の経の中に於て法華最も第一なり已上経文当に知るべし斯の法華経は諸経の中の最為第一なり」と、釈迦世尊宗を立つるの言は法華を極と為す金口の校量なり深く信受す可きか。
一代五時継図
大論に云く百巻・竜樹菩薩の造・如来滅後七百年出世の人なり十九出家・三十成道・八十涅槃涅槃経に云く八十入滅 阿含経亦此の説有り云云、
┌─兼 説処は中天竺・寂滅道場菩提樹下
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├─権大乗
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│ ┌─別教─┐ ┌─六十巻 旧訳・仏陀跋多羅三蔵の訳
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├─三七日──┤ ├─┼─八十巻 新訳・実叉難陀三蔵の訳
華厳経─┤ │ │ │
├─乳味 └─円教─┘ └─四十巻
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├─結経は梵網経
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│ ┌─他受用報身如来──旧訳の説
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└─教主─┼─毘盧遮那如来───新訳の説
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└─所居の土は仮立・実報土又は蓮華蔵世界と云う
愚法・二乗教
┌─一に小乗教───一切の小乗経を摂す
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│ 空
├─二に大乗始教──方等部の経を摂す
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│ 不空
華厳宗五教を立つ─┼─三に大乗終教──般若涅槃経を摂す
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│ 三乗の中の絶言の理を説く
├─四に頓教────一切経中の頓悟成仏の旨を摂す
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│ 別教一乗
└─五に円教────華厳・法華を摂す
┌─馬鳴菩薩───起信論を造る
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┌─天竺─┼─竜樹菩薩───十住毘婆沙論を造る
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│ └─天親菩薩───十地論を造る
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│ ┌─杜順和尚───終南山の住・文殊の化身云云
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│ ├─智儼法師───至相寺の住
├─唐土─┤
│ ├─法蔵大師───京兆・凉山大華寺の住 又賢首大師と云い
│ │ 又康蔵大師と云う
祖師─┤ └─澄観法師───清涼山大華寺の住又清涼国師と云う
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│ ┌─審祥大和尚──大安寺の住新羅国の人 日本最初伝
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│ ├─慈訓小僧都
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│ ├─明哲律師
└─日本─┤
├─良弁僧正───東大寺の本願
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