金錍論
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こんぺいろん こんべいろん
一巻。唐・
妙楽大師
湛然
著。正しくは
金剛
といい、また
金剛
論・金錍ともいう。
金剛
錍の名は
涅槃経
巻八
如来性品
第十二の文から名づけたもの。
金剛
錍は本来盲人を治すメスのような器具であるところから、迷妄の衆生の眼を開く意をもつ。
天台
没後、
華厳
・
唯識
・禅の隆盛の陰になり振るわなかった
天台法華宗
を再興するために著わした書で、
華厳宗
の
非情
に
仏性
なしとする説に対して、草木(
非情
)
成仏
の義を論じ、
唯識
の
五性各別
の説に対して一切衆生
皆成仏道
を主張したもの。